つまりLPSはタイトジャンクションの下に侵入できなくても、皮膚の免疫系に働きかけることができる。皮膚にLPSを塗布することで以下のことがおきる。
- 皮膚内のケラチノサイトを活性することで、バリア機能を増加し、保湿力を左右するNMFを増加させる。また感染を防御する。
- ランゲルハンス細胞を活性することで、傷を速やかに治癒させ、アレルギーを抑制する。
- Treg細胞を活性することで好中球を抑制し、炎症を抑える。
- マクロファージを活性することで線維芽細胞が増殖し、エラスチンやヒアルロン酸が増加する。
- 毛乳頭細胞が活性することで、血流が改善し育毛や発毛の効果が得られる。
近年LPSが健康やホメオスタシスを維持するために不可欠な成分であることが多くの研究によって示唆されている。
またLPSはさまざまな食用植物だけでなく、土壌にも多く存在し、私たちは普段の食生活から自然摂取していることも多い。LPSは口から入っても皮膚に触れても毒性がなく安全な物質であることもわかっている。
腸内や皮膚のLPS不足、免疫が低下
免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があるが、LPSは特に「自然免疫」を活発にする成分であり、腸内や皮膚のLPSが不足すると免疫が低下することもわかっている。
LPSの有用性についてはまだ認知度が低い。ビタミンB1が不足することで脚気が起こるということが知られるまでに時間がかかったのと同様、LPSの不足によって免疫低下やアレルギー患者の増加が起こっているということが少しずつ認知されるようになってきている。
まさにLPSは「免疫のビタミン」であり、食品にも化粧品にも利用できる優れた成分であるとまとめた。
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