EC-12に生体免疫刺激能
EC-12とはヒトの腸管より分離した腸内細菌の一種、エンテロコッカ・フェカリス菌(乳酸菌)を独自の培養処理技術で加熱殺菌処理し高度に濃縮した乳酸菌成分である。
その扱いやすさと高い機能性から、健康食品やサプリメント以外にも、加工食品、飲料、ペット用サプリメントなどさまざまな食品に利用されている。
EC-12は小腸のパイエル板(M細胞)から免疫細胞の基底膜側に取り込まれ、EC-12の細胞質成分RNAがサイトカインを産生することで生体の免疫応答を活性させるというメカニズムが解明されている。
他にも、現在明らかになっている生理効果として「整腸作用」「内臓脂肪低減」「インフルエンザウイルスの治癒促進」「リステリア菌感染抑制」「にきび抑制」「免疫調整作用」「栄養吸収」「創傷治癒」「抗腫瘍」「ポリープ抑制」など、いずれもEC-12には生体免疫刺激能があるため、と考えられている。
EC-12、脳に対する機能性
今回は、EC-12の新たな機能性として脳に対する可能性について紹介。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、腸と脳が相互に情報交換しているといわれている。これを「脳腸相関」と呼ぶが、近年はこの脳腸相関が腸内細菌と影響し合っていることが解明されてきている。
例えば、うつ病患者の腸内細菌叢はそうでない人に比べ多様性が低く菌種の豊富度も低いことなどが明らかとなってきている。
WHOによると世界のうつ病人口は3億人を超え、自殺者は年間800万人を超えるとされ、特に介入が必要なグループとしては「青年期」「妊娠・出産期の女性」「高齢者」が挙げられている。
メンタルヘルスをサポートするにために、特に「不安」といった状態を定量化する必要があるが、漠然とした不安を定量化するにはどうすればいいか。
辞書によれば不安とは「漠とした恐れの感情。動悸・発汗などの身体的兆候を伴うことも多い」と定義されている。不安で病院に行けば、問診・カウンセリング・心理検査で定量化することができ、治療方法や処方箋が提示される。
一方マウスの場合、行動試験で定量試験ができる。具体的にはオープンフィールド試験、高架式十字迷路試験、強制水泳試験などの方法があり、マウスの不安状態でもこれらの試験によって定量化できる。
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