アガリクス、大豆イソフラボンの安全性
検証経過を報告


平成18年4月28日、ホテル聚楽(東京都千代田区)で薬業健康食品研究会の「平成18年度定時総会」が開催された。当日、厚生労働省(食品医薬品局新開発食品保健対策室)の北島智子室長が「健康食品をめぐる最近の行政の話題と展望」と題して行政報告を行い、アガリクスの安全性検証や大豆イソフラボンの1日摂取量の上限値設定などの経緯について述べた。

「一部問題のある製品による産業全体のイメージダウンは努力している企業にとっては迷惑な話」

今年2月13日、厚生労働省は、国立医薬品食品衛生研究所でアガリクスを含む3製品の中期多臓器発がん性試験を実施したところ、1製品にラット において発ガン促進作用が認められたという試験結果を公表。他の2製品については、3月20日付で発ガン促進作用は認められなかったと報告した。

この経緯について北島氏は次のように述べた。「厚生労働省にアガリクスを含む製品の健康被害が明らかになった事例の報告はなかったが、健康被害の疑いなどの複数の事例が学術雑誌などに掲載されていたこと、アガリクスを含む製品が広域に流通していたことからアガリクスを含む3製品の毒性試験を行った」

3製品については、「広域流通しているもので、一定期間継続的に市場に流通しているもののうち製造方法が異なるものを選んだ」という。試験結果の公表以降、「問題の製品を摂っていたが大丈夫か」という質問も寄せられたが、「ラットで発ガン促進作用が認められたが、ただちに人でガンを引き起こすという結果ではない。ただし人への健康被害を未然に防ぐため製品の摂取は控えてください」との回答をしたという。



大豆イソフラボンについては、「今回の食品安全委員会の安全性評価については、あくまでも大豆イソフラボンを特定保健用食品として通常の食生活に上乗せして摂った場合の安全性について検討されたもの」と述べ、従来の大豆食品の安全性を問題にしたものではないことを指摘した。

また、厚労省では、「大豆イソフラボンの1日摂取目安量の上限値を70mg〜75mgで食品安全委員会に出している」とし、それを上回る摂取がすぐに健康被害に結びつくということでもないことも述べた。

厚労省では今回の措置についてHP上でQ%Aを設け、不安を払拭するための情報発信を行っているという。
「問題のある商品が現われると健康食品全体が悪いのではないかという話になり、努力している企業には迷惑な話だとは思うが、今後も企業においては健康食品の安全性確保の推進をしていただきたい」と北島氏はまとめた。


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