スナック化はあらゆるカテゴリーに変革をもたらしていて、特に「タンパク質のスナック化」に対する需要が高まっている。特にコロナ禍で在宅時間が長くなっている消費者は革新的なスナックの購入に意欲的である。
具体的には乾燥ヨーグルト入りのシリアルバーがアメリカでは爆発的に売れている。ヨーグルトやミルクの形態をとらなくても、プロバイオティクスやホエイタンパク質がスナックで摂れるからだ。
中国ではチップスの人気は低かったが「プロテインチップス」が大人気だ。このスナックでタンパク質が摂取できるだけでなくローカロリーであることや手軽さが人気となっている。
またスウェーデンでは乳糖を含まない無糖の乳製品「プロテイン プリン」が大人気。これは常温でも保存可能で持ち歩きが簡単なことも人気の秘密となっている。
このように、今後もプロテインのスナックは需要が拡大するという。「持続可能」ということにも消費者は注目している。
例えば日本では100%再利用プラスチックから作られたペットボトル「いろはす(水)」やラベルを一切使用しないボトルが人気になっている。
また、トップバリューのサラダチキンは原料に抗生物質や抗菌剤を一切使用せずに屋外で飼育された鶏が使用されていることが話題となっている。
もちろん米国でも似たような事例がある。例えばClover Sonomaから完全に再生可能な植物由来の牛乳パックを使用している。
「持続可能」というキーワードは消費者にインパクトを与えるようになっていて、消費者が消費によって社会貢献できるという認識を与えることにも力を発揮している。
より「自然」であることがキーに
食品が持つ「機能性」についてもずっと注目されてきているが、より「自然」であることがキーとなっている。例えば、アボカド、ブルーベリー、アーモンドなどのそのまま食べられる食品は消費量が増えている。
タンパク質の人気も非常に高くなっているが、「タンパク質とはよいことばかりの栄養素」というイメージが定着し従来の「スポーツパフォーマンスの向上」だけでなく「適正な体重維持」「筋肉の合成と質の維持」「炭水化物の摂取量の削減」「利便性」などの点から、老若男女に支持される栄養素になっている。
その流れで、ニュータイプのエナジードリンクとして「コーヒー+乳由来タンパク質」がオーストラリア、スイス、カタールなどで人気となっている。
しっかりとタンパク質を摂取することが低糖質や低炭水化物など健康な食事につながることも認識されてきている。実際、科学的にも「低炭水化物」より「良い脂質・高タンパク質」で減量することが主流になってきている。
食品がヒットするかどうかは、複数のトレンドを結びつけることがポイントで、例えば「リッチプロテイン+持続可能」とか「リッチプロテイン+低糖質」などに注目してほしい。また乳由来のタンパク質については他のタンパク質との違いを明確に伝えることがマーケテイングの次のステップだと話した。
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