それよりも視覚により簡単に訴えかける「アイコン」でビーガンやグルテンフリーを紹介するなどしている。
また、「5 ingredients(たった5つの原材料)」とか「simple ingredients(シンブルな原材料)」と、具体的に何が含まれているのか、含まれているものだけをパッケージの表面に大きく表示するなど、「クリーン」であることを「クリア(明確)」に表示することがトレンドになっている、と田中氏。
現在、世界のすべての食品の1/3程度がクリーンラベル商品である。しかし、割合としてはやはり欧米がリードしており、日本を含むアジアはまだまだ「クリーン」も「クリア」も遅れをとっている。
「ナチュラル」「ヴィーガン」は一昔前のトレンド
時代の変化と共に、食品のトレンドも変わり、クリーンラベルのあり方も変わってきている。
例えば、「ナチュラル」や「ヴィーガン」といったキーワードは一昔前のトレンドになりつつある。
今は「サスティナブル」や「エシカル(倫理的)」というキーワードがクリーンラベルにも求められている。
消費者は食品に原材料や健康増進のベネフィットだけでなく、製造や流通のプロセス、社会的責任においてもクリアでクリーンであることを求めるようになってきている。
特に食品業界においては食で一人ひとりが健康になるだけでなく、地球環境や原料となる動物への倫理も強く求められている。
そのため、シンプル加工だけでなく、代替肉、ホルモン剤不使用、プラントベース、サスティナブルといったキーワードをわかりやすくクリアに表現したものが最新のクリーンラベルとして注目されている。
「Made With」が最新のクリーンラベル
また、さらにそのような商品を世の中に送る企業側の理念や、商品に込めた思いなどをストリーとして表現し、消費者の心を動かすような仕掛けも必要だと田中氏。
その一例として、「原材料、それはあなたの知っているものだけです」といった表示や「牛乳を作るのには必ずCO2が排出されてしまうが、それをプラマイゼロにする仕組みで作った牛乳です」といったストーリーをパッケージにしている欧米の商品の事例を紹介。
つまりクリーンラベルとは「体に良いもの」→「シンプルでクリーンな生産・製造」→「透明性」→「社会的責任」にまで進化しており、現在はクリーンであることがサスティナブルであるというイメージにまで成長しているという。
これまでは無添加、無着色、ナチュラル、Non-GMOなど「Free From」で考えることが主流であった。
しかし、これからは「クリーンに製造する技術を」「共感できる原材料を」「社会や環境に貢献できる流通を」と「Made With」で考えるのが最新のクリーンラベルといえる、と田中氏はまとめた。

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