この2つ目の経路のスイッチをオンにする物質が「ケトン体」で、糖質を制限すると体内に肝臓からケトン体が産生され、体内に蓄積した脂肪がエネルギーに変換されるようになる。
通常、糖質の摂取目安量は1日300g(日本人の食事摂取基準)だが、ケトン体を出すことを目的とした場合、糖質摂取の上限量は1日の60gまでとされ、かなり厳しい糖質制限をしなければならない。
他にも、糖質制限ダイエットをすることで集中力低下、無気力、便秘、トラブル、冷えなど副作用の報告も少なくない。
MCTオイル、ケトン体を増やし脂肪を燃焼
米国では糖質制限やロカボはすでにダイエット法として定番化しているが、トレンドとしては縮小傾向にある。
それより、どうすれば常に体内にケトン体を発生させられるか、ということをテーマにした食事や食品が人気になり始めるている、と藤田氏。
例えば、ケトン体を増やす唯一の成分としてMCTオイルが注目されている。
MCTは、母乳やココナッツに含まれる天然成分で、無理な糖質制限をしなくても体内のケトン体を増やし、脂肪の燃焼に働きかける機能が報告されている。
体内でケトン体が増えるほどケトン体スイッチがオンになり、無理な食事制限をしなくても自然に体質改善につながり、痩せ体質になると考えられている。
コロナ禍にニーズの高い食材
普段の食事(1日の糖質摂取目安量は300g)はそのままに、1日10gのMCTオイルを摂取することで、無理なく緩やかに燃焼体質に近づく。
このことは、ストレスの多いコロナ禍で、「食べたいものを食べて健康的に痩せたい」と考えている消費者ニーズにも合っている、と藤田氏。
日本ではまだMCTオイルのトレンドは起きていないが、MCTオイルには他にも認知症予防など脳機能に対する効果のエビデンスも出ている。
乳酸菌や発酵食品、ビタミンC、Dに加え、MCTオイルもコロナ禍にニーズの高い食材の一つになるのではないか、と話した。
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