大麦若葉エキス、腸内環境の改善で期待
〜健康博覧会2021セミナー


2021年1月27日(水)〜29日(金)、東京ビッグサイトにて「健康博覧会2021」が開催された。同展示会セミナーから、日本薬品開発鰍フ講演「大麦若葉エキスと腸内環境の改善作用と健康への波及効果」を取り上げる。


大麦若葉を自社専用農場で製造

日本薬品開発鰍ヘ昭和44年から日本初の大麦若葉(大麦若葉青汁)の開発・製造・販売を手掛けている。他社の大麦若葉青汁と大きく異なるのは、独自の製造方法にある。

自社専用農場で製造された大麦若葉は、葉野菜と同様に硬い繊維の中に豊富な栄養を含む。

そのため、特殊な機械を用いて採れたての大麦若葉を擦り潰し、繊維の奥にある有用成分を絞り出すことで、青汁成分を豊富に抽出することに成功しているという。

さらに抽出した水分を含む青汁は安定性が低いため、スプレードライ方式という手法で熱を加えずに水分を飛ばし粉末化する。

これにより、50種類以上の青汁の有用成分が活きたままの状態で加工でき、「溶けやすさ」「独自の甘さ」などが抜群に仕上がっている。

抗酸化やコラーゲン産生促進など、多くの有用性報告

同社では、この50年間、外部との提携で数々の機能性研究が行われ、論文数で45報、学会発表は120報と多くの研究成果を上げているという。

主な大麦若葉エキスの機能性研究としては「抗酸化作用」「コラーゲン産生促進作用」「抗炎症作用」「抗潰瘍作用(ラットの胃潰瘍形成の抑制効果)」「免疫効果」「抗ストレス作用」「強壮作用」などの有用性が報告されている。

またメタボリックシンドロームについては「肥満抑制」「高コレステロール血症抑制」「血圧降下作用」「血糖降下作用」「動脈硬化抑制作用」などが報告されているという。

腸内のビフィズス菌が有意に増加

今回のセミナーでは、大麦若葉による「腸内環境」に関する最新の情報を紹介(2019年11月に神戸大学との共同研究発表されたもの)。

結論としては、大麦若葉を摂取することで「腸内のビフィズス菌が有意に増加」「腸内の酪酸産生量が有意に増加」が確認できたという。

試験は20〜40代の9名の健康で抗生剤の使用がない非喫煙者(男女)の便をサンプリングし、ヒトの腸管モデルを使った機械にサンプリングした便を入れ、大麦若葉エキスを加えたモデルと、何も加えない対照群で比較した。

その結果、大麦若葉エキス投与群において「ビフィズス菌増加」「酪酸増加」が確認できた。

ビフィズス菌などの善玉菌は通常加齢とともに減少するが、大麦若葉エキスの添加はそれを抑制し、悪玉菌を減らし、腸内環境を良好に保つことに役立つのではないかという。

さらに腸内細菌と大麦若葉エキスが反応し生まれる代謝産物によって酪酸が増えることで、免疫賦活作用や腸の蠕動運動がスムーズになる。

また、腸内細菌叢が整い、水分吸収が促進される(スムーズな排便)、腸管の炎症が抑制されることなどが期待できる。

今後さらに研究を進めていくが、大麦若葉エキスが炎症性腸疾患や大腸癌の対抗手段になり得ることが期待される、とした。


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