魚介、ミネラルなど微量栄養素の供給源
和食の基本は一汁三菜で、1品は魚介類であることも多く、日本人は魚介類を好んで食べてきた歴史がある。
日本人にとって、魚介は動物性タンパク質の供給だけでなく、ミネラルなど微量栄養素の供給源でもある。
海産物は基本的に日持ちしない。そのため、さまざまな加工法や貯蔵法が生み出され、和食の土台を担っている。
近年は、新鮮さよりも熟成する方が魚介の旨みが増すといった加工法にも注目が集まっている。
いずれにせよ、日本人は経験的に海産物の重要性や有効性に気づいており、近年科学的にもそれが裏付けされているが、一方でまだ解明されていない部分も多い、と落合氏。
深海魚、新たな成分や機能性を秘めている
魚介の持つ栄養素としては、消化の良い良質なタンパク質の他、魚油(EPA、DHA)、ミネラル、ビタミンなど。作用としてはペプチドによる降圧や抗酸化などがある。
近年はプラズマローゲンやタウリン、アンセリンなど、数々の機能性成分も発見され、健康維持に欠かせないものと認識されさまざまな製品化が進められている。
また、魚介の中でも深海魚は、新たな成分や機能性を秘めている可能性がある、と落合氏。例えば超高水圧でもタンパク質が潰れない、固まらないメリット、そして脂質も豊富である。
しかし実際は破棄される深海魚が多い。しかし、生きたまま深海に戻せないため、例えば養殖用飼料として有効利用できないかなど検証が進められている。
「持続可能な漁業」を行う漁業者認証制度
一方で、魚食にはデメリットもある。例えば、大型の回遊魚には有毒成分が存在している。種類によっては資源の枯渇や生態系の破壊などが危惧されているものもある。
有毒成分については、メチル水銀が有名で特に妊娠中の女性は摂取量に注意が必要であることがよく知られている。
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