そこで、パラミロンを高脂肪食に5%添加し、高脂肪対照群との差を回腸及び肝臓の解析、低脂肪の標準群との比較試験、回腸と肝臓をつなぐ門脈血清のメタボロミクス解析を行った。
その結果、「パラミロン群には腹腔内脂肪蓄積の抑制、脂肪細胞の肥大化抑制、耐糖能改善、血清コレステロール濃度低下作用」が確認された。
また、「パラミロンは回腸の免疫系遺伝子発現を亢進し、脂肪吸着・輸送・再合成の遺伝子発現を抑制する作用が確認」、「肝臓では脂肪酸の輸送とβ酸化の亢進が確認」された。
これらの結果から、パラミロンは回腸に直接作用し、門脈を介して肝臓に作用しているのではないか、と推定される。
消化管に直接作用し、肝臓の脂質代謝を改善
現在、パラミロンの回腸への直接的な作用についても検証されている。つまり、パラミロンは、従来の食物繊維とは異なり、消化管に直接作用し、肝臓の脂質代謝を改善する可能性が示唆されているという。
また、パラミロンの免疫活性のメカニズムについては、パラミロンがマクロファージの膜上の受容体に認識された後に、核内の免疫関連遺伝子を活性しタンパク質を発現させ、免疫調整効果を発揮するものと考えられている。
このように、ユーグレナの中に含まれるパラミロンは糖代謝や脂質代謝に影響する有効成分であるが、他の食物繊維のように他の栄養素の消化吸収を抑制する。
また、腸内細菌叢に影響を与えて糖代謝や脂質代謝に影響を与えるのではなく、肝臓の中でも脂質代謝を調整する腫瘍調節遺伝子PPARαの発現を更新させたり、回腸に直接作用して肝臓と相互作用するというメカニズムがありそうだ。
これらについて更なる試験を重ね確認し、今後もエビデンスを蓄積していきたいとした。
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