食品・栄養・健康における10のキートレンド
イギリスの「New Nutrition Business(ニューニュートリションビジネス)誌」は、1995年の創刊以来、年間11回発行されている業界誌で、世界の栄養ビジネスを分析・洞察し、実用的な情報を世界に発信している。現在世界42カ国で1000社以上の食品栄養健康産業のエグゼクティブに愛読されている。
この専門誌(NNB)で2005年以降毎年特集が組まれている「食品・栄養・健康における10のキートレンド」は人気の高いコンテンツで、毎年「将来的に成長が見込めるトレンド」が分析されているという。
「食品・栄養・健康における10のキートレンド2021」も先日発表され、株式会社グローバルニュートリショングループではこの日本語訳とその要約をすでに自社サイトで販売しているが、今回の講演では10トレンドの中から睡眠に関するものを紹介した。
コロナ自粛から、「食に楽しみや快適さを」求める傾向
まず「メガトレンド」として「天然の機能性」「細分化」「ウエイトウエルネス」「スナック化は戦略の基軸」「サステナビリティ」がある。
これを細分化した2021年の10キートレンドが「1、より少ない、より良い、楽しみのための炭水化物」「2、スイッチが入った動物性プロテイン」「3、代替プロテインーエンドウ豆を超えた成長」「4、多様化する腸のウエルネス」「5、植物を便利に」「6、追い風を受ける免疫力」「7、燃料としての脂肪の発展」「8、多様化する甘味」「9、新たなムード&マインドフード」「10、来歴の持つパワー」である、と武田氏。
この「9、新たなムード&マインドフード」とは「幸せな気分に良い食品」とも言い換えられ、これまでも成長していたカテゴリーだが、COVID-19のパンデミックによりさらに成長が加速しているという。
具体的には、COVID-19によるうつ病が米国では感染前より3倍以上増え、どの国でも似たような状況だ。
多くの人が「外出自粛」や「ソーシャルデイスタンス」で「せめて食には楽しみや快適さを」求めるようになっているという背景がある。
こうした食の具体例では、チョコレート、コーヒー、紅茶、バナナブレッド、チキン、ワイン、牡蠣などがある。
実際、ロックダウン中に「焼き菓子」は多くの人の心の癒しとなり、甘く炭水化物を含んだ食品が再注目され、家庭でパンを焼く人々が急増、特にバナナブレッドはインスタグラムで130万件を超えるトレンドになり、「ムードフード」というキーワードもGoogleでメガキーワードになった。
・
・