さらにサイリウムの特徴として、非加熱水溶液でも粘性が発揮されるが、加熱された水分では高い粘性を発揮し「餅」のような粘度を発揮する。
保水効果も高く(離水抑制効果)、少量であれば食感を損ねることもないため、粘性を高める効果や離水目的などで、さまざまな加工食品に利用されてる。
増粘剤として添加
昨今、米粉パンの人気や需要が高まっている。米粉にはグルテンが含まれなため、米粉パンをグルテン無しで膨らませるために、増粘剤を添加する必要がある。
増粘剤としてサイリウム製品である「フードメイドP100」を添加するとどうなるか。
一般的に増粘剤として用いられているグァーガムやHPMCと比較して、サイリウムを添加した米粉パン生地は形成する際のハンドリングが最も簡単である。
グァーガムやHPMCを添加した生地は生地そのもののベタつきや調理器具への付着が多かったが、サイリウム添加生地にはそのようなことは起こらず、ハンドリングや形成が非常に容易になる。
グルテンフリーの分野で有効利用
焼成後の生地については、サイリウムの添加量を1.5〜2.5%程度にすることで膨らみが向上し、気泡が保持され、嵩の高いパンができることも確認できた。
また嵩の高さ、断面気泡だけで比較するとグァーガムやHPMC添加米粉パンと大きな差は生まれなかったが、焼成前の扱いが容易だったことが影響し、見た目は優位にサイリウム添加米粉パンの方がよく仕上がった。
また、冷凍耐性についてもサイリウムを添加した米粉パンにおいて、優位に気泡が保持されたことも確認できという。
もともと食品添加物として利用されているサイリウムシードガムだが、グルテンフリーなどの分野では今後もっと有効利用できるのではないか、と今後の展開に期待を寄せた。
・