イチョウ葉エキスやDHAとの違い
小規模臨床試験(ヒト試験)でもiPadを使った認知機能検査でPI摂取群において、認知機能が向上する傾向が確認されている。
脳機能改善素材として、現状としては「イチョウ葉エキス」が有名だが、イチョウ葉エキスは脳の血流を改善することで脳機能を改善するというメカニズムを持つ。
同じく、脳機能改善素材である「DHA」は細胞膜の流動性を亢進させ、遺伝子伝達を促進させることで脳機能を改善させる。
PIは脳神経細胞活性というメカニズムであり、他の2つの脳機能改善素材とも差別化できる。あるいはこれらの素材との相乗効果がある可能性が高いとして、今後の研究に期待が寄せられている。
肝臓の脂質濃度が抑制
内臓脂肪抑制効果については、ラット試験で食欲抑制ホルモンレプチンを変容させ過食によって肥満化にさせたラットに、PIを投与する試験を行った。
その結果、PI投与群は対照群と比較して、肝臓の脂質濃度が抑制され、脂肪肝や肝肥大が抑制されることが示唆された。
肝臓機能障害指標酵素としてASTとALTがあるが、これらの酵素値の低下も確認できた。こちらについても、EPA、DHAなどの共役脂肪酸との組み合わせによる生理活性の増強が期待されている。
食品から化粧品までさまざまに応用
化粧品への応用については、PIに保湿や抗酸化作用があることが確認されており、すでに化粧品分野で活用されはじめている。
PIには皮膚の保湿、美白、抗酸化作用が確認されており、これをリポソーム化したPrimeLipidPiという原料が開発されている。
ヒト試験では「ヒアルロン酸産生促進効果」「メラニン産生抑制効果」「活性酸素抑制効果」「乾燥時よる小ジワ改善効果」が確認されている。
食品から化粧品までさまざまな製品に応用できる可能性が高いホスファチジルイノシトール(PI)にぜひ注目してほしいとまとめた。
・