また大手だけでなく、従業員数30名以下の中小規模製造所でも新規認定が増えており全体としては良い傾向で、問題があるとすれば、認定工場数が年々増加していることに伴い問い合わせ件数が増えていること。
それに伴う認定のスピードアップが求められていることであるが、ミスがあってはならないため、時間がある程度かかってしまうこと、と増山氏。
GMPの認知向上が必要
また、申請する側には、やはり準備不足が見られることや、特に健康食品の場合、企画から製造販売までの流れをそれぞれ別事業者が行なっていることが多い。
特に最近はOEM事業により委受託が行われているため、事業者には協働で課題解決に向けた取り組みを依頼する必要がある。
GMP認定工場にはOEM事業を主体で行なっている事業者も多くある。
しかし、委託元の健康食品GMPに対する認識不足や、社内他部門の理解不足、販売部門による食品表示法や景表法の誤認、原料調達部門の原材料や資材の情報開示不足など、それぞれの部門ごとに課題を抱えているケースが多く見られる。
健康食品の品質を確保するために、GMPを取得、あるいは取得済みの工場に製造を依頼することなどが望ましい。
販売や企画、流通の部門だけでなく消費者においても、健康食品の品質確保の必要性やGMPの考え方、GMPの認知向上を業界全体として普及させていく必要があるのではないか、と増山氏。
最新版ガイドラインが発表
近年の動向としては、2018年7月〜2019年3月に国民生活センターが行った「市販商品の品質調査及び消費者の実態調査」では、独自に行った崩壊試験(ソフトカプセル、ハードカプセル、素錠、コーティング錠)で100品目中42品目が崩壊しなかった。
それまでGMP認定工場には崩壊試験の実施を推奨してきたが義務化は行っていなかったため、現在は義務化されている。
他にも、最近では食品衛生法の改正(令和2年3月)によって「特別注意を必要とする成分」が4つ(コレウス・フォルスコリー、ドオウレン、プエラリアミリフィカ、ブラックコホシュ)指定されたが、これらの成分を製造や加工においても、より詳細なGMPチェック項目が加えられている。
このように、常にアップデートしていく必要があるGMPだが、最新版ガイドラインがこの6月に発表されるため、それもぜひ参考にしてほしいと話した。
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