有効性の体感に個人差
オタネニンジンとは高麗人参、朝鮮人参とも呼ばれ、古くから漢方薬として使用されてきた歴史のある安全性の高い食品素材で、健康食品素材としての知名度も高い。滋養強壮作用や不定愁訴緩和作用が広く知られる。
有効成分はニンジンサポニン(ジンセノサイド)であり、漢方でよく使用される主根部分よりヒゲ根部分にジンセノサイドは多く含有されていることもわかっている。
広く健康食品に利用されているが、欠点としては有効性の体感に個人差があること。
ジンセノサイドは体内に吸収されると、腸内細菌によって代謝され、吸収活性型「コンパウンドK」という物質に変換されて効果を発揮するメカニズムも解明されている。
コンパウンドKは年々論文が増えている注目成分で、「がん」「生活習慣病」「脳・神経」「炎症」などの有効性が確認される論文も多い。コンパウンドKの最も優れた有効性は過剰な炎症に対する「鎮静効果」とされている。
日本人の約70%が代謝できない
しかし、さまざまな研究の結果、ジンセノサイドを吸収型コンパウンドKに代謝できない人がいることがわかってきている。
日本人は約70%が代謝できないため、多くの人がジンセノサイド(≒コンパウンドK)の効果を十分に得られないのではないか、ということがわかってきている。
つまり、オタネニンジンの効果の体感にばらつきがあるのも、腸内で吸収活性型コンパウンドKへ代謝できるかどうかの差ではないかと考えられている。
この個人差を解消するために、オタネニンジンヒゲ根を、キムチから分離された安全性の高い乳酸菌である「乳酸菌A221株」で発酵させた。
これにより、ジンセノサイドを効率よく代謝させた「オタネニンジン乳酸菌発酵物」を作り出した。この中には「吸収活性型コンパウンドK」も多く含まれる。
抗アレルギーや肝機能保護作用など
「乳酸菌A221株」については多くの乳酸菌からスクリーニングした結果、オタネニンジンをもっとも効率的に代謝する乳酸菌である。
実際に「オタネニンジン乳酸菌発酵物」と「オタネニンジン」をラットに投与し、比較した試験では、前者の方が明らかに早い時間に血中コンパウンドK値が上昇し、吸収率が約24倍になっていることが確認できた。
日本人では吸収率が58倍にも上昇したという報告もある。吸収率が高まったことで健康効果にどのような違いが出てくるかについては、「抗アレルギー作用」「肝機能保護作用」「体脂肪蓄積予防「血糖値上昇抑制」「抗酸化作用」など。
また「インフルエンザ予防」などはオタネニンジン乳酸菌発酵物を摂取することで、オタネニンジンを摂取した時よりも作用が強化され、オタネニンジンの摂取よりも高い効果が得られることが期待されている。
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