日本ではリンゴは皮も種も破棄することが多いが、このような製品を活用することで、普段摂取しにくい成分を効率的に取り入れることができるのではないか。
具体的にアップリンに含まれる成分については、例えば「プロシアニジン類」には抗酸化・糖脂肪吸収抑制、「カテキン」には血圧上昇抑制・抗酸化作用、「クロロゲン酸」には脂肪燃焼効果・血糖値上昇抑制効果がある。
また、「ルチン」には血流改善、「ヒペロシド」には抗うつ・抗不安作用、「アビクラリン」には脂肪酸合成酵素阻害作用、「フロリジン」には糖質吸収抑制作用、「ケルセチン」には抗酸化作用などがある。
フロリジン、高い糖質吸収抑制作用
アップリンには豊富な種類のポリフェノール類が含まれているが、中でもアップリンに5%以上含まれているフロリジンには高い糖質吸収抑制作用が確認されている。
そもそも1835年に発見されたフロリジンは1970年には動物試験で血糖を下げる研究用試験薬として用いられるようになり、現在血糖改善に使用される「SGLT2阻害薬」はすべてフロリジンの誘導体であるという。
このフロリジンが含まれるアップリンによるヒト臨床試験について、18〜68歳の健康な男女にアップリンを溶かした飲料を食事前に摂取してもらう二重盲検試験を行なった。
その結果、アップリン摂取群において血漿中グルコースを有意に低下させたことが確認できた。
さらに食後30分までのインスリン濃度も有意に低下。血中ポリフェノールについてもアップリン摂取群において血中ポリフェノール類の濃度が上がっていることも確認できた。
血糖値上昇抑制作用素材は他にもギムネマ、桑葉、サラシア、バナバなどがあるが、これらの多くが二糖類から単糖類への分解を阻害する作用を持つのに対し、アップリンだけは小腸から血中への当の輸送を阻害するという違いもあるという。
肌の老化防止や脂肪燃焼も期待
現在、高齢化社会を迎えている日本において60代以降の男女20%以上に糖尿病の疑いがあるとされるが、高齢者にもアップリンは有効である。
特に高齢者に人気の健康食品である青汁などに混ぜて製品化することも可能ではないか。
他にもアップリンには肌の老化防止作用や、脂肪燃焼作用も期待できるため、トータル美容サポート素材として若い世代にも訴求できる。
アップリンは熱安定性、UV安定性などにも優れ、加工耐性が高いため、さまざまな健康食品に応用してほしいとまとめた。
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