その10年以上前にはカテキン8種のうち健康性の強い4種を「ガレート型カテキン」と伊藤園中央研究所が命名した。
当時はカテキンの知名度が低く、「お茶ポリフェノール」という大きな概念しか存在していなかったが、そこから35年以上研究を続け、現時点ではカテキンに関する特許を52件保有している。
その集大成として今年の3月に日本発「体脂肪を減らすお茶」が機能性表示食品として登場。もちろんこの商品の機能性関与成分は「ガレート型カテキン」である。
コロナ禍での商品リリースであったが「コロナ太り」が話題になっていた時期でもあり売れ行きは好調という。
緑茶のプロフェッショナル人材「ティー・テイスター」資格制度を発足
カテキンが多いと機能性は高くなるが、そうなると渋みも強くなる。
お茶の甘みはテアニンというアミノ酸による部分が多い。カテキンとテアニンのバランスを絶妙に調整した畑から茶葉の開発はこれからも力を入れていきたいという。
今、伊藤園で最も力を入れていることがこれらの活動に対するPR。緑茶のプロフェッショナル人材「ティー・テイスター」という資格制度を発足させ、現在2,289名の資格保有者が活躍している。
この2年はコロナによってオンラインでの活動を余儀なくされているが、コロナ前は全国のスーパーで食育活動をしたり、また定期的に茶摘み体験や茶揉み体験も提供していた。
マスクに並ぶ公衆衛生的な使い方として
今後もしばらくは活動の制限が予測されるがこれらの資格や人材を生かした啓蒙活動を地道に続けていきたいという。
コロナ禍で最も注目されているのがやはり「新型コロナウイルスと茶カテキン」の関係であろう。京都府立医科大学との共同研究で、マスクに並ぶ公衆衛生的な使い方として役立つ可能性があるのではないか、という。
カテキンに似たような効果がある物質はほうじ茶や紅茶にも含まれているが、その辺りも今後研究していきたいという。
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