代替肉や植物性ミルクについて「環境に優しいと思う」と回答している人は約63%、「一過性のブームではない」と思っている人が約28%だというが、現状はまだ「お試し感覚」である。
30代のグループ層が植物性プロテインを試すきっかけは中国版YouTube「we-media」が大きな役割を果たしていて、プラントベース由来の食品を食べた人の約48%の人が「we-media」から情報を取得していると回答している。
代替肉・植物ミルク、日本での浸透度は
日本でも植物性プロテインの利用が主に外食の場面で少しずつ増加傾向にある。とはいえ外食・中食での代替肉は1%、代替ミルクは3%。(2021年1〜6月)とまだまだ市場としては小さい。
代替肉・代替ミルクともに利用者は15〜29歳の若い層の男性に多い。これは主にコンビニや外食での代替肉・代替ミルク利用機会が多い。
アメリカでも若い層の方が環境やサスティナビリティに強い関心を持っているため、日本でもこの層をメインターゲットにするのは商機になる可能性がある。
とはいえ、日本では代替肉はまだ「お試し」の段階で、目新しいものとして流行敏感層がトライしているレベルである。今後植物性プロテインが市場に定着するためにはより具体的な「解決策」、つまり消費者にとっての「価値の提供」が不可欠だ。
日本で植物性ブロテインが普及するためには
日本において植物性プロテインがすでに定番オプションとなっている米国レベルで普及するには、「体験」「機能」「解決策」の3つの提供が不可欠といえる。
体験としては「同等のおいしさ、犠牲を伴わず、代替となる」必要がある。健康のために味を犠牲にするのではなく「我慢しなくてもお肉と同じように美味しく、それでいて健康」という体験が必要。
機能についても「従来の卵や牛乳、チーズなどと同様の機能」を提供する必要があり、それにプラスして「食感、歯応え、ジューシーさなど本来のものと限りなく近いものを消費者が期待」していることを意識しなければならない。
「解決策」については「なぜ取り入れる必要があるのか」「どのように生活に取り入れるべきか」「どんなメリットがあるのか」「どんなシーンで使うのか」といった、「消費者にとっての価値」、つまり「消費者にとってのハッピー」を丁寧に訴求する、コミュニケーションが重要であろう、と東氏。
消費者が感じる価値を訴求することが最重要
少し前に「ポテサラ論争」が話題になったが、惣菜が提供しているのは「時間」である、と訴求することで消費者はそこに「妥協」や「手抜き」ではなく「価値」を感じられるようになる。
「ノンアル市場」も「微アル市場」もゼロからのスタートであったが、「なぜ取り入れる必要があるのか」「どのように生活に取り入れるべきか」といったコミュニケーションを地道に行うことで市場を開拓し確立してきている。
中国では「we-media」が重要な役割を果たしているが、日本でもSNSなどのツールや人物を使うことで「共感」を喚起し、まずはトライアルを促すことが大事だ。提供すべき価値としてはやはり「ヘルシー」が最適であろう。
いずれにせよ植物性プロテインにおける消費者が感じる価値を訴求することが最重要だとまとめた。
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