84名のボランティアの肥満女性(BMI 30)を2つのグループにランダムにわけ、大将軍ではプラセボ3gと低カロリー食、介入軍はブラッククミンシードオイル3gと低カロリー食をそれぞれ8週間摂取してもらった。
その結果、介入群は炎症誘発性マーカーが顕著に低下し、血清の改善もみられた。
抗高脂血症作用については、総コレステロール濃度が200mg/dlを超える18歳以上の88人を被験者とし、ランダム化プラセボ対照臨床試験を行った。
介入群において500mgのブラッククミンシードカプセル、さらに治療群には2gのブラッククミンシードカプセルを4週間服用してもらったところ、いずれもコントロール群に対しLDLコレステロールに有意な減少が確認された。
腎結石の消失やサイズ減少が有意に
尿路結石の抑制・溶解作用については、ブラッククミンシードにはチモキノンと呼ばれる成分が含まれているが、このチモキノンはシュウ酸カルシュウム腎結石の予防と治療の効果が示唆されている。
5ミリ以上の腎結石のある60人以上の患者を対象に無作為化三重盲プラセボ対照試験を行った。
その結果(チモキノン1.428%含有のブラッククミンシード500mg粉砕品カプセルを1日2回10週間投与)、ブラッククミンシード群では44.4%において完全に排石、石のサイズが減少した患者が51.8%、変わらなかった患者は3.7%で、ブラッククミンシードが腎結石の消失やサイズ減少に有意な効果が示されたという。
2型糖尿病にアジュバント(補助)の役割
2型糖尿病においては、ブラッククミンシードがアジュバント(補助)の役割を示す可能性があるという。
ヒト臨床試験ではブラッククミンシード摂取群(1日1〜3gにわけて3ヶ月の経口投与)は体重の減少だけでなく、空腹時血糖値の減少、糖化ヘモグロビンの減少、食後2時間の血糖値の有意な現象などが認められ、2型糖尿病患者の経口血糖降下薬に対する有益なアジュバントになり得る可能性があるという。
ブラッククミンシードには多くの研究があり多数の有効性が報告されているが、オイル、パウダーの形態がありいずれも食品素材としてさまざまな用途の可能性が期待されている。
さらに研究が進められている有効成分のチモキノンを5%以上で規格化したものもあるのでぜひ検討して欲しいとまとめた。
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