他にもシナモン、カルダモン、サフラン、クローブなどにもβセクレターゼ阻害作用が確認できた。
有効成分としては、キンマ・ヘキサンエキス、シナモン・ヘキサンエキス、ガランガル・ヘキサンエキス、ガジュツ・ヘキサンエキス、カショウ・ヘキサンエキス、カルダモン・ヘキサンエキス、カレーリーフ・ヘキサンエキスなど。
これらの有効成分にはβセクレターゼ阻害作用以外の健康効果も複数確認できている。
ターメリックやゴマ、βセクレターゼを阻害
これらのスクリーニングを通して、最もβセクレターゼ阻害作用が高かったのがターメリックとゴマであった。
ゴマはジャパニーズスパイスの代表ともいえるもので、スクリーニングに入れたところ、有効性が非常に高いことが確認できた。
ウコン(クルクミン)とゴマはそもそも健康食品としてのイメージが強く、スパイスとしても活用しやすい。
実はウコンに含まれる有効成分の中でもターメロン類という成分はオイル状で、ゴマに含まれる有効成分のセサミンは素材としてはパウダー状になる。
特にこのセサミンは体内での吸収率が低いため、この2つを混ぜてみたところ、非常に馴染みがよくセサミンパウダーがウコンオイルによく溶け、セサミン単体で接した時よりも約13倍も吸収されることがわかった(動物試験)。
マウス脳内でβセクレターゼ阻害
そこで、実際にマウスを使って、ウコンとゴマをミックスした成分が、脳へ移行するのかについて試験を行った。
その結果、ウコンに含まれるターメロン類もゴマに含まれるセサミンやセサモリンなどの有効成分は明らかに血清に移行し、血清からさらに脳に到達していた。
また、それぞれ単体で摂取するよりも脳に到達する有効成分の量が多くなることが明らかになった。
マウスの経口投与試験では、マウス脳内でのβセクレターゼ阻害作用も確認できたという。
さらにヒト臨床試験においてもウコンとゴマの抽出物で作る成分(メモリーチ)は「脳まで届く」ことが確認できているが、その作用は比較的緩やかで、10年、20年と長期間摂取し長期的に予防に貢献するという理想的な成分ではないか、という。
症状がない時、元気な時に予防を考えるのは難しいが、イメージが良い食品成分、安全性や食経験の豊富な成分を少しずつ長く取り入れていく行動を促すのに適切な成分だと紹介した。
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