薬業健康食品研究会が、健康食品の安全性
及び法制化等に関するシンポジウムを開催


平成20年4月24日(水)、東京・お茶の水・ホテル聚楽で、薬業健康食品研究会が主催する健康食品に関連したセミナーが開催された。同会の「平成20年度定時総会」に引き続いて行なわれたもので、いま特に問題となっている健康食品の安全性について、その確保に向けての取り組みの報告や、健康食品の法制化に向けた動向についての講演があった。


今後健康食品業界は、より健全で活力ある産業に

同会は、(財)日本健康・栄養食品協会の支援団体として設立され、薬業に携わる企業や個人がメンバーとなり、行政への働きかけやテーマを決めてミーティング、情報発信などを行なっている。

シンポジウムでは、冒頭、「健康食品の安全性確保に向けた取り組みについて」と題して、同会のGMP委員会のリーダーである柿澤定男氏が、「厚労省検討会、日健栄協検討委員会での検討、及び今後の方向性」を報告した。柿澤氏は、安全性確保に関して過去8回行なわれた検討会やヒヤリングの結果から、健康食品の安全性を確保を図るための具体的な方策として、論点を次の3つにまとめた。

  1. 原材料の安全性の確保について
  2. 製造工程管理による安全性の確保について
  3. 実効性の確保について

また、健康被害情報の収集や消費者への情報提供についても触れた後、健全で活力ある健康食品業界の発展のためとして、サプリメント法の制定や認証マーク、登録番号付与などの具体策を示した上で、厚労省や日健栄協、超党派国会議員や業界などの動きから、今後健康食品業界は、より健全で活力ある産業に発展するとの見解を示した。

引き続き、GMP委員会サブリーダー、谷田貝浩三氏が、「健康食品定義の法制化に関する提案書」を同会の考え方として報告した。谷田貝氏は、同会のGMP委員会を支える「GMP」「安全性」の二つのワーキンググループの活動を報告し、法令化への提案に向けて話を進めた。「健康補助食品GMPガイドラインと医薬品GMP省令との比較表」「健康補助食品GMPガイドラインに対峙できない医薬品GMP条文」等を解説した上で、「健康補助食品GMPガイドラインに対する薬業健康食品研究会の考え方」を披露。「健康食品定義の法制化」に関する提案書として、「健康食品の定義の法制化 ―薬業健康食品研究会案―について説明した。

サプリメント法の法制化が業界生き残りの道

法制化については、CMPジャパン(株)代表取締役・牧野順一氏が、「健康食品の法制化に向けた動向について」と題して講演した。4.13問題の背景にあるものとして、サプリメントを食品と医薬品という「両親」の「子供」に例え、これまでは「子供」を自由にさせていたが、大きくなり「両親」を脅かすような存在になった。そのため、薬事法による締め付けが行われているとした。
また、法制化議論が始まったきっかけとして、次の事象を挙げた。

  1. 4.13事務連絡と大川発言は、「健康食品の存在を否定」→ 存在が薬事法違反に。
  2. 業界の遵法精神では対応できない→ 薬事法の拡大解釈では、健康食品は業として成り立たない。
  3. 薬事法の拡大運用が、健康食品に限らず、菓子・飲料や流動食などの食品表示全体を歪めている。
  4. 消費者の知る権利、健康への権利を奪う、用法用量、機能表示の規制が安全議論にも障害。
  5. 国際的なサプリメント認知の流れにも反する。
  6. 医療制度改革、「治療から予防」に逆行する動き。

以上のことから、サプリメント法の法制化が業界生き残りの道であると強調した。氏は、法制化を視野に入れて発足した「エグゼグティブ会議」にも触れ、今後も議員連盟や関係団体、関係省庁などと打ち合わせを重ね、法制化にもっていきたいとした。


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