藤茶エキス、脂肪吸収抑制や肝保護で期待
〜健康博覧会2022セミナー


2022年2月8日〜10日、東京ビックサイトにて「第40回健康博覧会」が開催された。同展示会セミナーより、オリザ油化学の講演「抗肥満&肝保護作用!新規ダイエット素材「藤茶エキス」のご紹介」を取り上げる。


お茶として数百年以上も愛飲

藤茶はブドウ科ノブドウ属の植物で、中国貴州の少数民族がお茶として数百年以上も愛飲してきた歴史がある。

採取地の中国で研究が進んでおり、フラボノイド類の中でもアンペロプシンという成分を豊富に含むことや、血圧降下・血中中性脂肪の減少・血糖値低下・肝機能保護・抗酸化・便秘の改善など多くの有用性が報告されている。

カフェインを含まず、非常に健康的である。日本ではコロナ禍の生活で「コロナ太り」に悩む人が多い。また生活習慣病も増加傾向のため、藤茶や藤茶エキスが役立つのではないか。

ダイエット作用については、高脂肪食で飼育したマウスに、アンペロプシン含有の藤茶エキスを3ヶ月投与しプラセボと比較した。その結果、藤茶エキス投与マウスにおいて有意に脂肪肝が抑制されたことが確認された。

脂肪の吸収抑制や代謝促進

他にも体重・肝臓の重量・内臓脂肪の増加の抑制も確認されており、メカニズムについて調べたところ、藤茶エキスにより肝臓のCPT1Aという酵素が活性することが確認できた。

通常、食事から吸収された脂肪は肝臓にいき、肝細胞のミトコンドリアによって代謝される。このCPT1A酵素が活性することで、体内に吸収された脂肪酸の燃焼が促進することが確認できた。

さらに、脂肪吸収作用を調べるために、オリーブオイルを投与する試験を実施したところ、藤茶エキス投与マウスはコントロールマウスと比較して、血中トリグリセリドの上昇が抑制されていたことも確認できた。

他にも細胞試験で、脂肪細胞に藤茶エキスを添加する試験を行ったところ、脂肪細胞が縮小することも確認できた。

さらにヒト臨床試験でも、藤茶エキス(アンペロプシン50%含有)を3ヶ月摂取してもらい、プラセボ群と比較した。



その結果、藤茶エキス摂取群では1ヶ月で内臓脂肪面積が優位に減少し、摂取2ヶ月、さらに3ヶ月でも減少傾向がみられた。

また、藤茶エキス脂質吸収抑制について、脂質負荷後の血中トリグリセリドを測定する試験では、脂質を摂取した2時間後に、藤茶エキス摂取群はプラセボ群と比較して有意に血中のトリグリセリドの上昇が抑制され、脂肪吸収が抑制されていることが確認できた。

他にも藤茶エキスを投与したアルコール食飼育マウスは、コントロールマウスと比較して肝臓の脂肪蓄積が抑制された。

肝保護作用も期待

こうしたメカニズムについて、藤茶エキスには肝臓のALDH2Tというアルコールが代謝される時にできるアセトアルデヒトを分解する酵素を活性することが分かった。

これにより、CYP2E1という活性酸素を生成する肝機能障害の原因にもなりうる酵素の発生を抑制する作用があることが確認できた。

つまり、藤茶エキスにはアルコールによる肥満や肝機能のダメージを抑制する作用があるといえる。

肝機能保護作用については、ラットのin vivo試験で藤茶エキスには濃度依存的に肝細胞障害抑制作用があることが認められている。

これは藤茶エキス摂取により肝機能のバロメーターであるGOTとGPTが血中上昇しているため。

こうした結果から、藤茶エキスには脂肪の吸収抑制、分解促進のダイエット効果だけでなく、肝保護作用が期待され、機能性表示食品にも十分対応できる。

藤茶の多くの現代人が抱える悩みを解消するニーズに応えられる成分に注目して欲しいとした。


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