機能性表示対応の脳ケア、血糖値、内臓脂肪対策素材〜食品開発展オンラインセミナー

2022年2月14日〜28日、web配信により食品開発展オンラインセミナーが開催された。この中から、ビーエイチエヌ鰍フ講演「機能性表示対応!三大お悩み(認知、血糖値、内臓脂肪)の解決におすすめの原料」を取り上げる。


ここ数年、「脳ケア対策」ニーズ

ビーエイチエヌ株式会社は1999年の設立以来栄養補助食品 食品用原料、化粧品、食品添加物の製造・販売を一貫して行っている。

主な取り扱い原料にコラーゲンパウダーやギムネマエキスなどがあるが 機能性表示食品対応素材として大豆由来ホスファチジルセリンや黒酢、ヒアルロン酸、ブロッコリースプラウトパウダーなども需要が高いという。
機能性表示全体の中では、「脂肪対策」や「肥満対策」の需要が高くこれらに対応する素材が圧倒的な割合を占めているが、ここ数年で「脳ケア対策」もニーズが高くなっている。

ビーエイチエヌで取り扱う機能性表示対応素材の販売推移を調査しても、脳対策(ホスファチジルセリン)、血糖値対策(BHNボタンボウフウ粉末)、 脂肪対策(茶カテキン)素材が順調に売り上げを拡大しているという。

ホスファチジルセリン、加齢によって減少

ホスファチジルセリンは、細胞膜を構成するリン脂質で、私たちの脳に多く存在しているが、加齢によって減少するため食品から補う必要がある。

大豆由来のホスファチジルセリンは「記憶力の向上・認知力の改善」「ストレス緩和」「ADHDの症状改善」「学力向上」、さらに脳以外にも「集中力の向上」「筋肉痛の改善」などが確認されている。

そのメカニズムについては、摂取により脳のグルコース代謝が改善され、脳内情報伝達物質が活性される。また、脳シナプスが保護され、脳の情報伝達が強化されることが解明されている。

記憶力維持サポートで機能性表示が可能

すでにヒト臨床試験によるSR(システマティックレビュー)があるため、PSとして100mg/日以上摂取できるようにすると「大豆由来ホスファチジルセリンには記憶力が低下した健康な中高年高齢者の認知機能の一部である記憶力(言葉を思い出す力)の維持をサポートすることが報告されている」という機能性表示が可能である。

さらにビーエイチエヌでは「イチョウ葉エキス末」の取り扱いがあり、こちらもSRを取得済みである。

イチョウ葉は脳の血流を増やすことにより脳機能の改善が発揮される。そのためホスファチジルセリンとの2つの異なる成分の組み合わせによる新たな商品開発も可能なのではないか。

血糖値対策にボタンボウフウ

また、血糖値対策としてはBHNボタンボウフウ粉末がある。こちらは鹿児島県の喜界島産のボタンボウフウを自然のまま乾燥・粉末化したもので、抗酸化成分のクロロゲン酸が1.2%以上規格されている。



ボタンボウフウとは、セリ科の多年草で「長命草」とも呼ばれ、1株食べると1日長生きするともいわれている。

現地では伝統医薬として風邪や咳止めに利用されている。喜界島の海岸沿いにはこのボタンボウフウが自生しており、過酷な環境に耐え抜いて生きる生命力の強い植物として知られる。

沖縄など他の場所にもボタンボウフウは自生しているが、喜界島のものはクロロゲン酸が約2倍も含有されているという。

すでに、現地では伝統的に薬草のように使われており、抗酸化、大腸がん抑制、抗肥満、動脈硬化抑制、血管拡張、血小板凝集抑制、下肢むくみ改善などへの有用性が確認されているという。

機能性表示食品として受理

最新の研究では、食前の血糖値は正常でも食後の血糖値が急激に上昇する血糖値スパイクに対してボタンボウフウが有用であることが確認され、機能性表示食品を開発するためにSR(システマティック・レビュー)も作成し受理された。
作用機序はボタンボウフウ由来のクロロゲン酸がGLP-1(インスリン分泌を促進するインクレチンホルモンの一種)産生を促し、DPP-4酵素(インクレチンを分解する酵素)を阻害するGLP-1を保護することで食後の血糖上昇を抑制する。

ボタンボウフウ由来クロロゲン酸16.8mg/日を摂取するような設計の製品で「本品にはボタンボウフウ由来クロロゲン酸が含まれボタンボウフウ由来クロロゲン酸は、食後に上がる血糖値を抑える働きが報告されている」という表示が可能になるという。

茶カテキン、体重減少サポートで機能性表示

また、ビーエイチエヌの緑茶抽出物(GREEN TEA PE)は、農薬を使用していない茶葉を抽出しエキス末にしたもので、ガレート型カテキンが60%以上含まれる規格に製造されている。

ヒト臨床試験も終え、「腹部全脂肪面積の低下」「BMIの低下」「体重の減少」が確認されているという。

この素材を機能性表示食品として利用する場合は、原料として250mg/日(茶カテキン、ガレート型カテキンとして150mg/日)摂取できるようにすること。

これにより「本品には茶カテキン(ガレート型カテキンとして)が含まれる。茶カテキン(ガレート型カテキン)には、肥満気味の方のお腹周りの脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)を低下させ、体重の減少をサポートし、高めのBMIを低下させる機能があることが報告されています」という表示が可能になる。

これら3つの素材は高齢化社会のニーズに適合しているだけでなく、すでにSRがあるので、機能性表示食品の受理のハードルを下げることにも役立つのではないかとした。



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