実際の食肉は特ににおいの強いモツやオージービーフとの相性が良い。大豆たんぱくに添加する場合は0,01〜0.1kgの少量で青臭さが抑えられさっぱりした味わいに変化する。
さとうきび抽出物には食品の好ましくない味や不快なにおいを改善する効果だけでなく、細菌やウイルスの感染防御効果も確認できているという。
竹食物繊維で食感をアップ
また、加工食品の形成や食感改善に役立つ食品成分として竹食物繊維がある。原料に南米やタイなどの竹を使用、98%以上が不溶性食物繊維だという。
保水性と保油性が高いため、肉汁が流れ出すことを防いだり、食感をアップすることに役立つ。しか竹食物繊維そのものは無味無臭のため、必要な味のバランスを崩すことなく利用できる。
竹食物繊維を製造する際に、粒の長さ変えて5つのパターンで作り、粒の長さが長い程保水性や保油性が高くなるため、素材に応じた竹食物繊維を選ぶことができる。
現時点で、本物の加工肉や焼き菓子、パスタなどの麺類の質感改善や形成向上、弾力感アップなどに使用されている。また竹食物繊維を大豆由来の代替肉に添加すると肉らしい食感に変化して、遜色がなくなるという。
プラントベースフードをよりリアルに
実際、社内ではプラントベースの「あじフライ」や「ツナマヨ」を作る試験も行っているという。両方とも基本は大豆由来タンパク質で形成し、それぞれさとうきび抽出物・竹食物繊維を添加することで、形成時のベタつきや水の染み出しなどが抑制されたことが確認できた。
またアジフライ(魚風フライ)の方は、フライ後の官能評価でも魚独特の繊維感がなくサクッとした食感が保たれていることや、揚げチヂミがないことなども確認できた。
プラントベースツナマヨもさとうきび抽出物・竹食物繊維を添加することで、ベトつきや水分の染み出しが抑制され、パンに乗せたりおにぎりの具材にしても問題なく使うことができた。
また冷凍→解凍の手順で使用しても油浮きが有意に抑えられるなど良好な改善がみられたという。さとうきび抽出物・竹食物繊維を添加することで、プラントベースフードをよりリアルに仕上げる食品素材として有効利用できるのではないかとまとめた。
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