食品添加物の安全性、「すべては量次第」
食品添加物や食品素材の専門誌として50年の歴史を持つ食品科学新聞社。同社発行の 「Food Style21」は機能性表示食品やサプリメントなどに特化した月刊誌で今年25周年を迎える。
誌面では食品添加物と健康機能素材の両方を扱うが、読者から多く寄せられる声の一つが「食品添加物は体に悪く、機能性素材は体に良いのか?」というものであるという。
この答えについては食品の機能を学んでいる人なら誰もが知っていることだが、結局は「すべては量次第」、と石川氏。
例えば食塩は風味改善、食感改善、保存性の向上、殺菌効果などにおいて最強の添加物である。しかし、過剰摂取は高血圧や生活習慣病の原因となる。
むしろ、食品添加物として登録されている素材はさまざまな枠組みの中で安全性が評価されているため、そうではない機能性素材よりも安全性は高いといえる、と石川氏は話す。
この安全性の評価と同じくらい昨今重要視されているものが「エビデンス」であり、そこから機能性表示食品が登場している。
コロナ禍で健康食品関連市場は追い風
機能性表示食品はすでに5000商品を突破しており、2021年度(2022年3月末迄)だけでも1,100件以上の登録があった。
さらにコロナ禍で健康志向が高まり、健康食品関連市場は追い風となっている。特にコロナ太り対策商品やプロテイン、青汁、免疫系が伸長、サプリメント市場も1兆円を超えている。
数年前までは機能性表示食品届出成分のトップは「難消化性デキストリン」であったが、現在は「GABA」に代わり、ストレスや疲労感軽減、血圧、認知機能、肌弾力の改善など幅広い範囲のヘルスクレームに対応している。
しかし、体に強力な影響を及ぼすものはやはり「薬」としての運用や評価が適切であり、食による体への影響は単体成分に求めるのではなく、運動や生活習慣の改善など生活全体で捉え、消費者にも理解行動を促す必要が業界の姿勢としても強く求められるようになっている、と石川氏。
「健康の見える化」アイテムの活用
石川氏自身は、2018年の1月から6月までの半年間で90kg(体脂肪27%)から73kg(体脂肪19%)の減量に成功したいう。
社内の立ち話で「太っている人は好きではない」ということを聞き、それがきっかけでダイエットを決意。
機能性表示サプリメントの継続摂取、食事の低糖質化、朝晩のウォーキングなど生活全体を改善することを試みたという。
サプリメントや運動をきっかけに行動改善ができれば、さまざまな不調の改善が見込める可能性が高い。
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