その結果、試験8週目では有意差は出なかったが、16週間で明らかにかゆみの改善・見た目の症状の改善が見られ。また脱毛部分から再び毛が生えてくるという改善が確認された。
腸内細菌叢のバランスを整える
さらに、ケストース投与群の糞便を分析したところ、あらゆる短鎖脂肪酸が優位に増加し、アレルギー反応を誘発させる脂肪細胞も減少していたことも確認できた。
これらの試験結果から、ケストースは難消化性であるため、小腸で吸収されることなく大腸に届き、腸内の有用菌(ビフィズス菌・乳酸菌・酪酸産生菌)の餌となった。
その後、選択的に腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らすことで、免疫に関与するTh1細胞を増加させ、Th2の働きを低下させることで腸内細菌叢のバランスを整えたといえる。
乳酸などの有機酸を増やす
また、乳酸・酢酸・酪酸といった有機酸を増やし、これらの有機酸が血液に乗って全身の免疫細胞や脂肪細胞に働きかけることでアレルギー症状を緩和させるのではないか、という作用機序が考えられる。
ケストースは粉末タイプでまろやかな甘さがあるのが特徴である。そのままパウダーで摂取することもできれば、他のサプリメントに混ぜて相乗効果を狙うこともできる。
もちろんチョコレートやドリンク類に添加して加工食品を開発するなど汎用性が高い成分なので、注目してほしいとまとめた。
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