日本人の消費者の32%がサステナブル消費
これまでは昆虫食といえば、罰ゲームやパーティーのネタなどのイメージがあった。しかし、「サステナブル消費」をキーワードにすることで、メインの客層は20〜30代の女性もしくは男性になり得る。
主力商品も菓子類だけでなく高級食品や一部加工品、健康食品に広げることができる。
「昆虫食」ではなく「コオロギパウダー入り食品=エコロジー×エシカル×健康」のイメージが広がれば一般商品になるのも夢ではないという。
実際、日本人の消費者の32%がサステナブル消費をはじめているという調査結果もある。
消費者は食品に「美味しさ」「価格」「食べやすさ」だけでなく「サステナビリティ」を求めるようになっており、これが新たな市場になりつつある。
コオロギパウダー、78%が美味しいと回答
潟Gコロギーは早稲田大学のコオロギ研究から生まれたベンチャー企業だが、長年、コオロギの最適な生産方法や栄養価・機能性を研究し続け、現在は途上国であるカンボジアで量産体制を構築するまでに至っている。
カンボジアは昆虫の飼育に最適な環境であるだけでなく、昆虫食の文化が古くから存在し、既存の生産者もいることなどから、量産の地として非常にマッチしているという。
実際コオロギを食品にする流れは、カンボジアでのフードロスを回収し、それを専用の餌に変え、大学の研究での知見を生かし専用の餌を使ってコオロギを現地の貧困家庭などの人に委託して生産&買取、それを粉末加工し食品原料として提供するというもの。
これによってSDGsの「1,貧困を無くそう」「12,作る責任・使う責任(フードロスの削減)」「13,気候変動に具体的な対策を」に大きく貢献できるという。
しかもコオロギパウダーはエビのような旨味があり食べた人の78%が美味しいと感じているという。エビのような旨味は、塩味にも甘味にも対応できるのもメリットだ。
タンパク質が豊富でBCAAなども高含有
従来の代替プロテインはソイであれば豆臭さが残り、ホエイであれば乳の味を完全に消すことが難しい。
しかしコオロギパウダーはどちらもないため、菓子類だけでなく、加工食品、調味料、栄養補助食品のどれにでも展開が可能だ。
さらに他のタンパクと違う点として、タンパク質が豊富でBCAAなども高含有しているだけでなく、亜鉛や鉄分などのミネラルが豊富な点もメリットである。
市場のイメージを変えていく必要や、甲殻類のアレルギー対応を考慮する点、また白いコオロギパウダーの開発など課題は残されているが、まずはサステナブルを切り口に、健康食品、一般食品へと展開していきたいと豊富を語った。
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