「おいしさ」を科学的に分析、食品開発に活かす
食品には、三つの機能があるといわれる。すなわち、栄養(一次機能)、味覚(二次機能)、体調調節、疾病予防や老化防止(三次機能)である。近年、食品の三次機能の解明が進み、飲料やスナックなどに健康効果を付加した機能性食品が増えている。
とはいえ、食品の「味覚」は消費者の購買動機の大部分を占める。三次機能だけでなく、二次機能の「味覚」も好ましくなければ消費者の食指は動かない。そのため、企業は消費者の嗜好にあった味覚、食感の研究に日々努めている。
では、どのような「食感」が消費者に好まれるのか。食品の「おいしさ」を消費者に訴え、購買に結び付けるにはどうすればいいのか。
この点について、相良氏は、「食感を科学的に分析・数値化し、食品の商品開発に活かすことが必要」という。過去に相良氏が企画アドバイスした緑茶飲料はヒット商品に育ったが、当時は緑茶市場がすでに飽和状態であった。そのため、「味覚」だけでなく、「すっきり感」「緑茶感」「甘み」「香り」という4つの側面も考慮、多角的にデザインしたという。
例えばOLをターゲットにしたお茶であれば、「甘み」を強めるなど、コンピューターで数値化した味に微調整する。さらに、中身の評価を上げるため、パッケージを中身と同調させる「調和設計」を行なったという。
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