特保食品と類似した表記の違反目立つ
都では、平成8年より福祉保健局と生活文化スポーツ局が中心となり、健康食品の「試買調査」を実施。健康被害を未然に防ぐため、健康食品の表示・広告内容の検証や成分検査を行っている。
講習会では平成20年度「試買調査」結果を報告。今回、都内の健康食品売り場やスポーツ用品店等の93事業者から112品目、インターネットや雑誌など通販36事業者から39品目、合計151品目が対象となった。
結果、法令に違反、あるいは不適切と判断された商品数は、食品衛生法10点、JAS法82点、健康増進法55点、景品表示法26点、薬事法26点となった。
最も多いJAS法については、輸入品における日本語表記の違反や、事業所表記の違反が目立った。健康増進法については、特定保健用食品と類似した表記などの違反が目立ったという。
また、販売店で購入した1品目に、勃起不全治療薬として用いられるシルデナフィル類似成分のチオアイルディフィルという医薬品成分が検出されたという。
健康食品による被害事例を医療関係者と情報共有
都では、健康食品による健康被害と疑われる事例を、医療関係者と情報共有するよう努めている。平成18年より、病院や診療所、薬局に健康被害の届け出があった場合、即座に都の医師会や薬剤師会に報告、都でも逐一検証するという取り組みを行っている。
検証の結果、行政対応が必要と判断された場合(違反品、重篤被害)は、製造・販売・流通の禁止や製品の回収、また厚労省へ報告する。
平成18年度には、医師会から107品目、74人の健康被害者報告が、薬剤師会からは41品目、37人の健康被害者報告が事例検討専門委員会に寄せられた。
それによると、健康被害は20代と50代-70代に多く、男女比では男性29%、女性67%と、女性の被害が多いことがわかったという。
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