食事の摂取カロリー制限、アンチエイジングに
眼科が専門の坪田一男教授(慶応義塾大学医学部眼科学教室)は、「レーシック」手術で視力回復した患者が、若返りの傾向にあったことからアンチエイジングに興味を持つようになったという。
現在、エイジングのメカニズムは解明されつつあるが、最も効果的な科学的アプローチは、「カロリーリストリクション」と「酸化ストレス」の二つで、仮説の検証が進められている。どちらも「食」からのアプローチが鍵となるという。
「カロリーリストリクション」(別称、「カロリス」)とは、食事の摂取カロリーを制限すること。マウスやサルの動物実験で、タンパク質、脂質、炭水化物に加えて必須ビタミン、微量ミネラルなどの栄養分を確保しながら総摂取カロリーを通常の65%〜70%に押さえると、寿命が長く全体の印象も若々しいことが報告されているという。いわゆる「腹八分目」が、アンチエイジングにも良いということだ。
なぜ、「カロリス」がアンチエイジングにつながるのか。メカニズムとして、カロリーを十分に摂取している状態よりも、摂取制限状態のほうが遺伝子を守り細胞の寿命を伸ばそうとする作用=サーチュインと呼ばれる酵素が活性化することが考えられるという。
野菜・果物の抗酸化物質、アンチエイジングに関与
また、「酸化ストレス」もエイジングに関与している。野菜・果物にはビタミンA,C,Eに加え、ルテイン、ゼアキサンチン、アントシアニン、アスタキサンチンなどの抗酸化物質が含まれている。これらの積極的な摂取は、アンチエイジングにつながると考えられている。
赤ワインやぶどう、ピーナッツの皮に含まれる抗酸化物質、レスベラトールもアンチエイジングで最近注目が集まっている。カビを抑制する作用があることから、酸化抑制で老化防止にも役立つと考えられている。
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