食品安全委員会、求められる「リスク評価」業務での成果〜「第48回リスクコミュニケーション専門調査会」

2010年1月26日(火)、食品安全委員会会議室で、「第48回食品安全委員会リスクコミュニケーション専門調査会」が開かれた。専門調査会委員(11名)と食品安全委員会事務局(9名)による活発な意見交換が行なわれ、平成22年度のリスクコミュニケーション活動などが検討された。


平成22年度食品安全委員会リスクコミュニケーション活動、6つの実施案

リスクコミュニケーション専門調査会では、食品安全委員会が行なうリスクコミュニケーション活動についての調査審議を行なっている。

当日、事務局から22年度の予算が報告された。それによると、食品安全委員会の予算は21年度1,290百万円に対し、22年度は前年度比94.44%の1,218百万円となった。このうちリスクコミュニケーション推進事業に関する予算は、21年度の100百万円に対し、22年度は54百万円と大幅に削減された。

削減理由について、平成18年度から食品安全委員会が行なってきたメイン事業の一つであるリスクコミュニケーターの育成にある程度効果が見られ、今後は地方自治体ごとにリスコミ推進事業を行なうべきとの観点からと、事務局より説明。

次いで22年度の食品安全委員会のリスクコミュニケーション活動について、事務局より以下の6の実施案が素案として挙がった。
@食品健康影響評価に関する意見交換の開催、A食品健康影響評価や食品の安全性に関する情報提供、相談等の実施、B食品の安全についての科学的な知識、考え方の理解の増進、Cリスクコミュニケーターの活用、D食品安全モニターの活動E関係府省、地方公共団体との連携

食品安全委員会、「リスク評価」より「リスク管理」がメイン業務に

会議では、専門委員から、食品安全委員会は「リスク評価」すべき機関にもかかわらず「リスク管理」がメインになっているのではないかとの声があがった。

21年度の実施報告書を参照した上で、予算が縮小された分「リスク評価」という本来の業務にもっと立ち返り、まずそこで成果を上げるべきと指摘。
事務局からは「リスク評価」が理解されるために「リスク管理」をせざるを得ない現状を報告、今後明確な住み分けが課題とされた。

Aの情報提供については、食品安全委員会の認知度の低さが指摘。消費者から認知度され、かつ信頼を得るためにもマスコミとの連携、特に新聞とのタイアップなどを検討すべきとの意見があがった。

また、事務局はどのような改善努力や施策を行っているのかという、専門委員からの厳しい質問に、「ホームページに掲載し、関連機関に意見を求めている」との返答で、22年度の実施案を練り直すべきなのではないかとの意見もあった。

Dについては「リスク管理」であり、食品安全委員会が少ない予算のなかでやるべきか疑問があるという意見があがった。

Eについては消費者庁との連携が求められるが、事務局から消費者庁からは明確な回答が方針を得られず、今後住み分けを明確にしたいと報告した。専門委員からは「消費者庁は必ずしも食の専門家ではないため、食品安全委員会がバックアップをして、連携すべき」と意見をとりまとめた。


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