食の安全調査隊、消費者が抱く食品添加物への不安を報告
最初に、食の安全調査隊の各グループの代表2名が活動状況を報告。調査隊は公募都民から成り、「食の安全」に関わる意見交換会や勉強会を行っている。
報告では、「食品添加物に対して消費者は漠然とした不安を抱いている」とし、いくら国が安全と断言しても、消費者は出来る限り添加物を摂取したくないと考えているのが現状と指摘。食品添加物や残留農薬、食品の安全性について今後も勉強会を続けたいと述べた。
基調講演「食品添加物のリスク評価」では、食品安全委員会委員の長尾拓氏が、食品添加物の摂取許容量などについて解説。食品安全委員会では食のリスク分析を国際基準をベースに行なっている。
食品添加物のリスク評価については、マウス実験で健康被害のない状態まで薄め、そこからさらに1/100レベルまで薄めたものを1日摂取許容量(ADI)としていると長尾氏。ADIはヒトが一生涯毎日摂取しても害のない量、さらに1/100まで薄め、赤ちゃんや老人の個体差も考慮していると述べた。
長期摂取による害は、人の解毒機能が有効に働いている限り、一定量までは悪影響が現われないと長尾氏。食品添加物の複合影響についても、ADI値をかなり低いレベルに設定し、個体差もあり、心配はないとした。食品安全委員会では引き続き食品の科学的調査を行い、安心・信頼を獲得するために努めると述べた。
消費者の食品添加物イメージ、「影響が後から現われる」「なじみのない新しいリスク」
同志社大学の心理学部教授の中谷内一也氏は、消費者の食品添加物に抱く不安心理について解説した。
食品添加物はADI値などで安全性が確保されている。それでも、消費者が不安を感じるのは、行政のリスク評価基準と消費者が感じる基準が異なるため。消費者の抱く食品添加物のイメージは「致死的で、非自発的、影響が後から現われて、外部から観察できず、なじみがない新しいリスク」と中谷内氏。
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