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メディアの流す「食品情報」、フードファディズムに警鐘 〜第3回「もっと、健康に〜食べもの情報を科学する」
2010年1月31日(日)、日本科学未来館で、“おいしく、食べる”の科学展で、健康トークイベントが開かれた。群馬大学教授の高橋久仁子氏が「もっと、健康に〜食べもの情報を科学する」をテーマに「フードファディズム」について解説した。
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「メディア情報による流行」から「分量の無視」懸念
高橋氏は日本に「フードファディズム」という言葉と概念を最初に広めた人物として知られている。
フードファディズムとは「メディアの流す食べ物の情報を過大評価したり信じすぎてしまうこと」で、フードファディズムに陥ることで食生活を総合的に管理できない人間が増えてしまう恐れについて高橋氏は述べた。
フードファディズムとして、まず挙げられるのが、「メディア情報による大流行」。かつての「紅茶キノコ」に始まり「納豆ダイエット」(*注1)、去年は「朝バナナダイエット」がその一例として挙げられた。いずれもそれを食べていれば完璧に健康になれる、誰でも痩せられる、安心、安全、といった根拠は全くなく、消費者は情報に踊らされているだけで食生活を正しく管理できなくなってしまっていることが残念だと述べた。
また、「分量の無視」も懸念される。例えばタマネギを食べると血液がさらさらになるという情報があったが、そもそも「血液がさらさら」という医学的な定義もなければ、タマネギから抽出した特定の物質をラットに一定期間大量に
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与えた実験結果で血糖値に改善が見られたという実験データはあるが、人間に置き換えれば50kgの体重の人間が50kgのタマネギを取り続けるという条件であり、普通にタマネギを食べても同じような影響は得られないと解説した。
フードファディズムに陥ると、「ヘルシーと言われる食品の摂取過多による肥満」「体に良いことをしているという錯覚」「物質を理解しないままの摂取」「偏った食事法による摂食、成長阻害」「医療者の勧告無視」など、様々な問題が発生し、実際多くのトラブルが起きていることを指摘した。
(*注1)
「納豆ダイエット」につきましては、番組製作社が報道内容を十分にチェックすることなく流したこと、それ自体が問題であることが後日明らかになっています。
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