消費者の視点に立った健康食品のあり方を
健康食品産業協議会には現在8団体が参加、健食業界の基盤づくりを合同で行なっている。特定保健用食品や栄養機能食品、健康食品について政府及び各団体への提言を行なっていきたいと木村氏はいう。
特保食品については、大手企業だけでなく、中小企業にも光を当てたいとし、認定審査の透明性、特保許可後の安全性の確保など提言していきたいという。
特保や栄養機能食品の表示については、消費者が求める表示(機能性、対象者、用量、摂取タイミング、関与成分、作用機序など)にもっと添う必要があると団体としての考えを示した。
健康食品については、日本健康・栄養食品協会を中心に自主基準の運用、事業者登録の導入、劣悪品販売業者の淘汰など統合的に進めていきたいと木村氏。
また、健康食品の表示に関する自主基準案として、「食品である」旨の明示、健康食品としての特定表示の策定、第三者機関のデータベースへ有効性やエビデンスを掲載など、消費者の視点で、健康食品のあり方を業界一丸となって検討していきたいと述べた。
消費者のメディア・リテラシー教育にも注力
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の蒲生氏は、現在の健食市場が、健康志向の消費者と販売事業者の双方の増幅で市場が拡大したと述べた。
商品の誇大広告、消費者の過度な期待や誤った摂取、それによる健康被害などで、特保食品の必要性や健康食品の有効性にも疑問の声が上がっているが、これだけ注目を集め、ニーズのあるものが市場からなくなることはない、いかに適切に使用するかが重要だとした。
特保商品については、病人対象ではないことの明示化など、改善すべき点が多々あると蒲生氏。不適正表示や安全性が確保されていない商品は市場から排除するためにも、消費者は表示や成分の有効性について積極的に学ぶ必要がある、消費者団体としてもメディア・リテラシー(情報を読み解く能力)の教育に積極的に取り組んで行きたいと述べた。
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