中国で、古くから鎮静や不眠改善で利用。抗うつ作用など、ラット実験で証明
羅布麻はキョウチクトウ科バシクルモン属の多年草で、中国吉林省以南の江蘇、安徽、さらに西北部の内モンゴル、甘粛、新彊などに広く群生する野生の植物です。1.5~4mほどに生育する直立性の潅木で葉は楕円状披針形あるいは卵円形をしています。
羅布麻は「紅麻」と「白麻」に大別されます。「紅麻」は主に健康茶として利用されますが、収穫量は「白麻」の10分の1と少なく、貴重とされています。
また羅布麻は、素材が柔らかく通気性に富み、絹のような光沢を持つことから布地にも利用されています。羅布麻の名は、原産地がロプノール(羅布泊)であることや、繊維に富み麻のような感触があることに由来しているといわれます。
羅布麻は、中国では鎮静や強壮などで古くから民間で利用されてきた歴史があります。1960-1970年代に、羅布麻の作用が各研究機関で正式に認可され、「中華人民共和国薬典」で、解熱利尿、鎮静、高血圧、動悸などへの有用性が紹介されています。
羅布麻の主な活性成分は、フラボノイド配糖体(hyeroside、isoquercitrin)、カテキン類((-)epicatechin、(+)catechin、(-)epigallocatechin、(+)gallocatechin)、アポシニン類(ApocyninA、ApocyninB、ApocyninC、ApocyninD)などです。
これまでに報告されている羅布麻の作用としては、抗うつ、鎮静、ストレス緩和、心疾患改善、腎炎浮腫改善、抗高脂血症、利尿、神経衰弱改善、不眠改善、肝保護、血圧降下などがあります。