生体内では、鉄の次に多い必須微量元素で、遺伝子や免疫機能全般にわたって大きな影響力
亜鉛は、ヒトの体内におよそ2000mg存在し、タンパク質やDNA、インスリンの合成など生体の反応に深く関与しているばかりか、免疫機能全般に大きな影響を与えています。また、前立腺や精子に存在して生殖機能にも重要な働きをしています。最近では、遺伝子発現の制御のほか、神経機能の調節においても、重要な役割をもつことが解明されています。
亜鉛は、保健機能食品(栄養機能食品)の対象成分となっており、栄養機能食品の表示では、味覚を正常に保つのに必要な栄養素、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素、タンパク質・核酸の代謝に関与して、健康維持に役立つ栄養素、と解説しています。 一日当たりの推奨摂取量は、成人男子は9mg(70歳以上は8mg)、成人女子は7g、上限量は男女とも7mgとなっています。
亜鉛が欠乏すると、NK細胞やヘルパーT細胞の低下など、免疫機能低下、胃腸障害、成長の遅れ、生殖機能の衰えなどに影響するといわれています。
一方、過剰摂取は、銅の吸収を阻害するほか、神経症状、免疫障害、腎障害などを引き起こすことがあります。アルツハイマー病に、亜鉛の蓄積が関わっている可能性についても、発表されています。
亜鉛を多く含む食品としては、牡蠣、レバー、牛肉、小麦、チーズ、納豆などが挙げられます。