特定非営利活動法人

HOME > 食品の機能性・学術報告 > 白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ)

2013.11.11白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ)

肝臓の解毒能や免疫力をたかめる

フタバムグラという和名を持つアカネ科の一年草で、根の部分まで乾燥させたものが漢方薬として利用されます。中国では白い花と蛇の舌のような形状の葉を持つため、百花蛇舌草と呼ばれ、古来より感染症やがんの治療、皮膚病などに用いられてきました。1970年代初頭には、虫垂炎や腹膜炎にその煎じ薬が効くというレポートが1,000以上報告されています1)。その後、特にガンの治療やその補助、再発防止に効果が認められ経験的に使われてきました。

これらの効果については、近年になって欧米や日本の雑誌に論文投稿されるようになってきました。2000年にはマウスの肝臓ガンモデルにおいて百花蛇舌草の熱水抽出液の効果試験が行われ、平均生存期間が1.4倍に延びることが報告されています2)。また、Guptaらは百花蛇舌草の抽出エキスを8種類のガン細胞を用いてin vitro試験を行い、全ての細胞において増殖を抑制することを確認しています。さらに同氏はマウスの転移肺ガンモデルにおける試験も実施しており、経口摂取によってガン細胞の増殖を抑え、転移を有意に減少させることを報告しています3)。

百花蛇舌草は抗炎症作用と抗がん作用をもつことで知られるオレアノール酸とウルソール酸を多く含みます。これらは五員環トリテルペンという物質群に属し、その抗がん作用や抗炎症作用が注目されて現在様々な研究が進んでいます。

1)Oldenlandia and Scutellaria Antitoxin and Anticancer Herbs
2)和漢医薬学雑誌、17:165-169,2000
3)Anticancer activities of Oldenlandia diffusa Journal of Herbal Pharmacotherapy 2004, Vol.4 No1 Pages 21-33 Salin Gupta1, David Zhang2, Jizu Yi2 and Jun Shao1


百花蛇舌草と半枝蓮の併用

漢方においては、がんの治療に百花蛇舌草と半枝連を併用すると良い事が知られています。この効果は経験的な域を出ませんでしたが、近年では科学的な研究も積極的に進められています。 Wongらは、半枝蓮と白花蛇舌草を腎臓ガン細胞移植マウスに経口摂取させると(それぞれ4mg/day)マクロファージの機能を高め、ガン細胞の増殖を抑制したことを報告しています1)。

1)Oldenlandia diffusa and Scutellaria barbata augment macrophage oxidative burst and inhibit tumor growth. (Wong BY, Lau BH, Jia TY, Wan CP.) Cancer Biother Radiopharm 1996;11(1):51-56

最近の投稿

「食」のトピックス 2024.12.2

遺伝子発現解析技術を利用した食品成分の安全性評価

「食」のトピックス 2024.11.18

栄養・機能性飲料のグローバルトレンド

「食」のトピックス 2024.11.11

食による免疫調節と腸内細菌

「食」のトピックス 2024.11.5

地域住民におけるDHA・EPA、アラキドン酸摂取量と認知機能の関連

「食」のトピックス 2024.10.21

大豆のはたらき〜人と地球を健康に〜

カテゴリー

ページトップへ