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2013.11.11生姜(ジンジャー)

「台所の薬剤」とも称される医食同源ハーブ。安心・安価なハーブ、関節炎やリュウマチの痛み緩和で注目

ショウガはショウガ科の多年草で原産地はインドや東南アジアといわれる。英語名は「ジンジャー(Ginger)」。 高温多湿地帯に育ち、地上茎と地下茎を持ち、地上茎は50-90cmほど伸び、葉の先端はササ状の楕円形になる。地下茎は黄色い多肉で、成長とともに節くれだった塊茎となり、独特の芳香と辛味を持つ。

品種は世界で1,300種ともいわれ、インド、中国をはじめ、ヨーロッパなど世界各地で薬用ハーブとして古くから愛用されてきた。中国ではショウガの根茎は「生姜(ショウキョウ)」と呼ばれ、生薬として古くから利用されてきた。また、乾燥したものは「乾姜」と呼ばれ、解熱、発汗、解毒などに有効とされた。中国の明の時代の生薬辞典『本草綱目』にもショウガが「風邪を防止する」ことが記されている。

またインドでは日常的に食事の薬味として用いられているが、インド伝承医学のアーユルヴェーダでは乾燥させた生姜は「偉大なる治癒薬」と称され、体を温め、新陳代謝を高め、血流改善に有効とされている。ショウガはこうしたさまざまな薬理作用を示すことから医食同源ハーブとの呼び名も高い。

ショウガは日本へは中国の呉の時代に渡来したといわれる。以後、民間伝承医療の素材として多く用いられてきた。代表的なものでは、ショウガの絞り汁を番茶に入れた「ショウガ湯」。風邪のひき始めや腹痛緩和に良いことで知られる。

また外用でも用いられ、ショウガの絞り汁に小麦粉とサトイモの擦りおろしを混ぜたものを、患部に塗布すると、体内の毒素が排出され、痛みや凝り、頭痛、冷え性、疲労、腹痛、歯痛、神経痛などに効果的とされている。また、ゴマ油と混ぜた「ショウガ油」は頭痛の緩和や頭髪にも良いとされている。

栄養成分としては、たんぱく質、糖質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどで、とくに亜鉛を多く含むことが特徴。ショウガが風邪防止に有効なのは、亜鉛によるものとも見方もある。

こうした栄養素以外にショウガ本来の薬効は独特の辛味・香気成分にあるとされている。辛味成分はショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロンなどで、殺菌、発汗、胃液分泌促進、血管拡張作用などがあるとされている。また香気成分(精油)には、ジンギベロール、ジンゲベレン、リナロール、ミネオール、シトラール、カンフェンなどがある。

これまでに報告されているショウガの効用としては、発汗・解熱、健胃、解毒、抗菌、鎮痛・鎮静、抗腫瘍、乗り物酔いの防止、吐き気や嘔吐の緩和、妊娠中のつわり抑制、消炎鎮痛、関節炎など。また、強力な抗凝血作用があることから血液の粘度を下げ、コレステロール低下にも役立つとされる。

米国ではショウガ・エキスが関節炎やリウマチの緩和に有効であるとして話題になっている。ショウガ・エキスの有効性について、2000年6月に「欧州リウマチ学会」(仏・ニース)が開催され、米国ジョンズ・ホプキンス大学のカメリタ・フロンドーサ博士が、ショウガエキスに関節の損傷した軟骨を再生する効力があると報告している。

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