最新バイオテクノロジー技術で「冬虫夏草」の薬理効果をアップ。NK細胞細胞の増殖など、天然の「冬虫夏草」を上回る
「北虫草」とは、冬虫夏草の一種から取り出した菌、「コルディセプス・ミリタリス」をカイコガイの幼虫に寄生させ、菌糸を発育させ、特殊な培地で子実体にしたもの。つまり冬虫夏草をバイオテクノロジー技術で人工栽培したものです。
1993年8月にドイツ(シュツットガルト)で開催された世界陸上選手権で馬俊仁コーチ率いる中国女子チームが金・銀メダルを取り、そのパワーの源が冬虫夏草のスープにあったと大々的に報道されました。
実はこの冬虫夏草こそ、中国の最新のバイオテクノロジー技術を結集させた「北虫草」であったといわれています。薬理効果についても「北虫草」のほうが天然の冬虫夏草を数段上回っています。
冬虫夏草は昆虫の幼虫の表面に寄生したキノコが、菌糸体を張り巡らせ、タンパク質を吸収して生育したもので、寄生した虫により、セミタケ、サナギタケなどの名前が付けられています。
冬虫夏草は、中国でもチベット系民族の生活圏である高山地帯に生育しますが、四川省西部のチベット自治区、雲南省北部などでもみられます。最高級のものはチベット産でコウモリガの仲間の幼虫から生育する冬虫夏草といわれています。
現在、およそ350種類ほどの冬虫夏草が発見されているといわれていますが、中国では秦の始皇帝が不老長寿の薬として求めたり、楊貴妃が若返りの秘薬として利用したといった逸話もあり、滋養強壮薬としても古くから用いられてきました。
清朝時代、1751年には720種の薬物を解説した「本草従新」が出され、その中で「肺、腎を補う」と記され、人の生命の根源に生気を漲らせるものと紹介されています。
冬虫夏草に含まれる虫草酸(D-マンニトール)は、血管を拡張し、血流を高め、狭心症や心筋梗塞、血圧降下の効果があるとされています。
また、冬虫夏草には「エルゴステロール・パーオキサイド」という物質が含まれますが、東北大学薬学部が、マウスにザルコーマ180固形ガン細胞を移植し、人工栽培した冬虫夏草の菌糸体から抽出したエキスを投与してガン細胞の数の変化を調べたところ、顕著な抗ガン作用が見られたと報告しています。
冬虫夏草にはこうした有用性が科学的にも証明されているが、難点は年間5トンというわずかな生産量でした。そのため、冬虫夏草の人工栽培研究が政府機関を中心に盛んに進められました。
中でも中国空軍の傘下の研究機関、瀋陽市東方聖草生物保健品公司は冬虫夏草の大量栽培、安定供給の研究に熱心に取り組みました。そして、約10年間の研究期間を経て、冬虫夏草の一種から取り出した菌、「コルディセプス・ミリタリス」をカイコガイの幼虫に寄生させ、菌糸が発育後、特殊な培地に移し、子実体に形成させることに成功しました。当初「蛹虫草」と称し、後に「北虫草」と命名しました。
「北虫草」には、抗腫瘍活性、延命、腎不全、アレルギー・喘息、肝臓疾患、肺機能、生殖機能、育毛、高血圧、コレステロール低下、便秘、感染症、不眠などのさまざまな症状の改善も報告されており、天然の冬虫夏草を超える薬理効果があると期待されています。