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2016.4.21ペパーミント

料理のスパイスやアロマで古くから愛用。腹痛や下痢、過敏性腸症候群への有用性が報告

ペパーミント(Mentha piperita)はヨーロッパ全域の川岸など湿地帯に生育する多年草で、現在では様々な場所で栽培されています。

植物のミントに属し、古くは古代ギリシャやローマで料理のスパイスやアロマを楽しむために愛用されてきました。近代では、1750年、英国のロンドン周辺で栽培されたのが始まりといわれています。

ペパーミントの葉には0.1~1.0%の揮発油が含まれ、活性成分は主にメントール(29~48%)です。その他、メントン(20~31%)、メチルアセテート(3~5%)、またビタミンB群やカルシウム、カリウムなどの栄養素も含まれます。

ペパーミントの刺激的な香りや味を引き出しているのがメントールで、痙攣や痛み、炎症を抑える働き、過敏性腸症候群(IBS)に対する有効性が注目されています。

University of Missouri-Columbiaの研究グループが8歳から17歳のIBM患者42人を対象に、ペパーミントオイルの有効性をプラセボと比較した研究では、2週間の治療期間でペパーミントグループの71%に症状の改善が見られました。プラセボグループでは43%でした。

また、2003年7月、Clinical Radiologyに掲載された報告によると、結腸がんなどの診断でバリウム注腸造影(DCBE)が行われますが、それによる副作用をペパーミントオイルが抑制したといいます。

研究では、スクリーニングテストを受ける患者383人を、1)バリウムにペパーミントオイル/30mlを添加、2)結腸に直接ペパーミントオイル/30mlを注入、3)筋肉弛緩剤、BuscopanRを結腸に注入、4)対照グループ――の4グループに分類しました。その結果、DCBEによる診断中に起る副作用の改善が、1)のグループで38%、2)が42%、3)38%とそれぞれ見られたといいます。

専門家が薦める標準の用量は、お茶の場合、沸騰したお湯に乾燥ペパーミントの葉を5g入れ、5~10分煎じます。これを食事の間に1日3~4杯飲むと、胃腸器官の不快な症状が緩和できるといいます。

ペパーミントの葉の錠剤やカプセルなら1日3~6g、IBM患者用の治療なら、ペパーミントオイル0.2mlを配合したカプセルを1回1~2個、1日2~3回服用することが薦められています。

ペパーミント使用による重篤な副作用報告はこれまでありませんが、稀にアレルギー反応を起こす場合、また慢性的に胸焼けを起こす人は、ペパーミントの使用は避けるべきとされています。

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