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2016.6.15レッドクローバー

更年期障害の緩和など、女性特有の疾患に有用。イソフラボンが閉経期のほてりなどを緩和

レッド・クローバー(ムラサキ・ツメクサ)はラテン名をTrifolium pratenseといい、主にヨーロッパや北米に生育、30~60センチの背丈に成長し、白や紫などの花を咲かせます。

ギリシャ、ローマなどの時代の薬草学者が薬用として使っていた歴史がありますが、現在では東洋医学はもとより、西洋医学でもその有効性が認められています。両医学共、レッド・クローバーを活力促進、利尿、鎮静剤として活用し、喘息や気管支炎、潰瘍、皮膚炎、リューマチ、関節炎などの緩和に用いています。

レッド・クローバーの成分は、主なところでは、genisteinなどのイソフラボン。これが女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをし、女性の更年期障害の不定愁訴を鎮めるなどします。

ただ、体内ホルモンよりは力が弱いため、ホルモン治療で起こると思われる副作用の心配はないとされています。また、オイルにはサルチル酸などが含まれ、アスピリンと同様に鎮痛、解熱作用を行うと考えられています。

レッド・クローバーに含まれるイソフラボンには、genistein、daidzeinがあり、大豆に含まれるものと同じですが、この他にbiochanin Aとformononetinがあり、弱いエストロゲン作用があります。

年齢を重ねるとホルモンのエストロゲン分泌が弱まり、様々な不快な症状があらわれます。こうした女性の大半にはホルモン治療が行われますが、一方でエストロゲンは組織の異常増殖といった副作用を起こすことも指摘されています。

このことから、エストロゲンと同じ働きでも体内ホルモンより弱いことから、ホルモン治療の代替自然療法として、イソフラボンに目が向けられています。

閉経期の女性を対象に、不定愁訴を起こしている患者にレッド・クローバーを与えた試験では、被験者の症状の一つである「ほてり」が起こる平均回数が56%減少したという研究報告もあります。

更年期障害の症状緩和として大豆が注目されていますが、レッド・クローバーには大豆と同様にイソフラボンのほか、biochanin Aとformononetinに加えてcoumestansと呼ばれる成分も含まれています。このcoumestansは、幾つかの研究によると他の多くのイソフラボンより6倍の働きをすることが確認されています。

また、レッド・クローバーのエキスがHDL(善玉)コレステロール値を上げるという研究報告もあります。オーストラリアの研究グループが、50歳から64歳までの女性で、6ヶ月間ホルモン治療を止めている50人に1日25mg、50mg、75mgの範囲でレッド・クローバーエキスを与え、被験者の総コレステロール、HDL、LDL(悪玉)コレステロール、トリグリセリド(血中脂質)値を3、6、8ヶ月ごとに計測した。

その結果、どの投与量でもHDL値は上昇したが、50mgグループでは最も目立って平均28.6%上昇。ただ、LDL、トリグリセリド値は低下しなかったといいます。

また、レッド・クローバーには抗凝血作用があることから、血液の希釈剤としても使われています。ただ、他の血液希釈剤との併用は、薬の有効性を倍加してしまうため避けるよう警告されています。筋肉の痙攣や粘膜の炎症も抑えるため、気管支炎や喘息、風邪の咳症状緩和にも有効性があるとされています。

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