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2020.10.6新型コロナ、世界的にサプリメントが需要増~第5回ウエルネスライフジャパン

2020年10月6日(火)、パシフィコ横浜にて「第5回ウエルネスライフジャパン」が開催された。この中から武田 猛氏(㈱グローバルニュートリショングループ)の講演「SDGsとウエルネスフード」を取り上げる。

COVID-19でビタミンC・Dが高需要

2020年はCOVID-19が世界的に流行したことで「食と免疫」について各国で盛んに研究が進められている。しかしそのような状況の中で日本はかなり遅れをとっている、と武田氏。

米国では免疫サポートに有益なビタミンCの品薄状態続いているし、原材料費も以前の3倍に膨れ上がっている。

またビタミンDのサプリメントもよく売れている。ビタミンDの機能性や免疫に関する研究、またCOVID-19との関係などについて各国で研究が進められている。

COVID-19に感染しやすい人はビタミンDの血中濃度が低い傾向にあること、COVID-19が重症化する人もビタミンDの血中濃度が低い傾向にあるといった報告も増えている。

COVID-19に感染してもビタミンCやビタミンDの投与で重篤化や死亡のリスクが軽減する可能性は複数の研究によって示唆されている。

現時点ではサプリメントの摂取がCOVID-19の治療や予防に役立つという強力なエビデンスにまでは到達していない。

しかし、ビタミンC、ビタミンD、そして亜鉛の摂取は重症化の予防や感染リスクの低下につながる可能性が様々な研究によって有力とされ、日本だけがいずれにもネガティブな態度を示している、と武田氏。

サプリメントの使用量、世界的に2桁増

COVID-19が流行した今、消費者は買い物をあまりせず必需品のみを購入するか、節約をするといった傾向にあり消費が冷え込んでいる。

しかし、世界19カ国を対象に行われた消費調査では、ダイエタリーサプリメントの使用量は2桁台(平均29%)で増加している。

フランスやイタリアではそもそもサプリメントを摂取する意識が低く、食品から栄養を取るという考えは今でも主流であるが、それでも2020年の第一四半期と前年同期を比較するとサプリメントの売り上げは64%も上昇している。

米国のサプリメント市場においては、前年比12.1%と言う歴史的な成長に上方修正したそうだ。

他にも米国では睡眠関連のサプリメントやメンタルを保つためのサプリメント成分なども売れ行きが好調で、CBDオイルやCBD入りのグミチョコレートなど、ストレス対策・睡眠対策のサプリメントの売れ行きが伸びている。

タンパク質摂取に関する意識の変化

またCOVID-19の流行だけでなく、消費者の健康意識の高まりから「タンパク質摂取に関する意識の変化」も今年は特に進んでいる印象がある。

基本的には「植物性タンパク質を積極的に摂取しよう」という傾向だが、世の中にはビーガン・ベジタリアンがそこまで多いわけではない。

ほとんどの人が動物性のタンパク質を無くすのではなく、動物性のタンパク質と植物性のタンパク質を同等に摂取したいと意識する消費者が増えている。

「食と免疫」について、日本は遅れをとっているだけでなく、ビタミンDについてもどちらかといえば国はネガティブな態度を示している。

そうした中で機能性表示食品として「免疫」の届出が受理されたことは注目すべきこと、と武田氏。

プラズマ乳酸菌、「免疫」の機能性表示が受理

今回の届け出の内容は「健康な人の免疫機能の維持をサポート」であり、機能性関与成分は「プラズマ乳酸菌」(キリンビバレッジ株式会社)。

プラズマ乳酸菌は「健康な人の免疫機能をサポートする乳酸菌」で、免疫の司令塔である「プラズマサイイトイド樹状細胞」にちなんで名付けられている。

プラズマ乳酸菌はプラズマサイトイド樹状細胞を活性化し、活性化された細胞の指示命令により免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防衛システムが機能する」というもの。

商品開発、「サスティナビリティ」がトレンドに

これまで「免疫」について効果測定することは難しく、機能性表示は難しいと考えられてきた。

しかし、今回のように免疫系を特定し、科学的評価に使える指標を特定することができれば、今後も「免疫」を訴える機能性表示食品を誕生させる事は可能であろう、と武田氏。

COVID-19とは関係なく毎年New Nutrition Business社が発表している「食の10キートレンド」の中でも4つのメガトレンドとして「サスティナビリティ」「スナック化」「天然の素材」「細分化」がピックアップされている。

これから商品を開発する上で「サスティナビリティ」を無視するわけにはいかないだろう。

世界から見て日本は遅れをとっている

またキートレンドとして「プラントベース」にも注目すべき。多くの人が植物由来の食品、特に植物由来のタンパク質を美味しく摂取したいと思っている。

またそれをスナック形式などより便利な形で摂取することにも積極的だ。しかし肉が悪い、嫌われるということではなく、ほとんどの人は肉を避けずに植物由来の食品を増やそうとしている。

そのため、代替肉よりも植物とブレンドした新しい肉製品の需要が期待できるのではないか、と武田氏。

また、高齢化やストレス社会は世界の問題であり、脳の健康に貢献する「ブレインフード」に対する注目も高まっている。

現時点で免疫やサスティナビリティをキーワードにした健康食品開発や消費者ニーズは、どちらかと言うと世界から見て日本は遅れをとっている。

しかし、世界のトレンドを意識しながら新たなウエルネスフードの開発に力を入れることが望ましいのではないか、と武田氏はまとめた。

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