7月25日(水)、東京商工会議所・東商ホール(東京都千代田)で「がんフォーラム2004」(主催:日本食品機能研究会)が開催された。「統合医療によるがん治療―いのちといやしの現場から」をテーマに、「最新のがん治療―がんと闘うためのカクテル療法―」(UCLA/DREW医科大学教授 M,ゴーナム博士)などの3講演が行われた。
「サプリメントなんて駄目と医師も決めつけず、有効例に耳を傾けて」(小澁氏)
今回のフォーラムには、全国から健康・医療従事者ら約400名が参加。当日、以下の3講演が行われた。
- 「最新のがん治療―がんと闘うためのカクテル療法―」(UCLA/DREW医科大学教授 M.ゴーナム博士)
- 「外科医のひとり言――サプリメントへの想い」(メディカルスクエア赤坂院長 (財)日本がん知識普及協会会長 小澁 雅亮博士)
- 「免疫強化食品の将来的評価について─栄養学の歴史を踏まえて─」(日本食品機能研究会)
講演の中で、小澁氏は「1972年に米国はがん撲滅のために膨大な国家予算を計上したが、患者はどんどん増え、思ったように成果があがらなかった。日本においても現在死亡原因の第1位はがんで、年間30万人ががんで亡くなっている」と述べた。
小澁氏は40数年にわたる消化器外科医の経験から、手術、抗がん剤、放射線治療というがん治療以外にサプリメントの役割について説いたが、「サプリメントだけに頼って、現代の医学を否定してはいけない。それを合わせてやっていくと効くという症例がある」とし、メシマコブ、アガリクス、米ぬかアラビノキシラン、サメ軟骨などの代表的な免疫賦活に関わるサプリメントを挙げた。
また、自身についても「サプリメントなんて駄目だと決めつけている医師が多いが、有効例を示し、そういう医師が減ることを期待しながら、地道にこれからも勉強を続けたい」とした。
また、ナチュラルキラー細胞とがん、老化など研究で免疫分野の世界的権威として知られるM.ゴーナム氏は、がん治療の新戦略として、低用量の化学療法剤と天然の免疫調整物質として知られるバイオブラン(BIOBRAN)を併用することにより、高用量の薬品投与による副作用を回避する可能性があるとし、バイオブランが乳がんのがん細胞に対し、化学療法により誘導されるアポトーシス(計画的細胞死)を増強させることなどを明らかにした。