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2014.10.16マンゴー

高い抗酸化作用や抗菌作用、抗ウィルス作用など。脳内物質、セロトニンの前駆体トリプトファンも多く含有

トロピカルフルーツの代表格マンゴ(Mangifera indica)は、ウルシ科の常緑樹で、20m以上に成長するものもあります。葉は光沢のある濃い緑色をしており、桃の葉に似ています。

インドが原産で古くから栽培されており、インドではマンゴの種は下痢止めに使われています。また、日本でも沖縄県や宮崎県、和歌山県などで栽培されています。マンゴの品種は幅広く、色や香り、味も様々、500~1000種あるといわれます。ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれていますが、その割には脂肪やカロリーが低く、格好の栄養素材といえます。

マンゴーの皮エキスにも栄養素が豊富に含まれていますが、青マンゴーと完熟マンゴーの皮に含まれる抗酸化成分(ポリフェノール、カロテノイド)、酵素、食物繊維など計測したところ、完熟マンゴーには、アントシアニンが360~565mg/100g、カロテノイドが74~436マイクログラム/g含まれていました。また青マンゴーにはポリフェノールが90~110mg/g含まれていました。

マンゴ(250g)に含まれる栄養素は、脂肪(1g)、炭水化物(30g)、カロチン(3g)、ビタミンB1(110g)、ビタミンB2(125g)、ビタミンB3(2mg)、葉酸(90マイクログラム)、ビタミンC(90mg)、カルシウム(30mg)、マグネシウム(45mg)、鉄(1mg)などがあります。

多くのフィトフェノールの存在も報告されています。例えば、J Agric Food Chem.(2002年2月)に掲載された研究によると、マンゴの樹皮から没食子酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸メチルエステル、没食子酸プロピルエステル、mangiferin、カテキン、エピカテキン、安息香酸、安息香酸プロピルエステルが検出されたといいます。

その他ケルセチン、イソケルシトリン、アストラガリン、フィセチンなどのフィトフェノールも確認され、高い抗酸化作用や抗菌作用、抗ウィルス作用などの働きがあることが分かっています。また、脳内物質、セロトニンの前駆体であるトリプトファンも多く含まれることが確認されています。

マンゴーには、magneferin、katechol oxidaseなどの酵素が含まれ、体内で解毒が行われます。マンゴーの葉から抽出されるmangiferinには抗炎症作用、鎮静作用、抗バクテリア作用などがあることも明らかで、口内の歯垢やばい菌予防への有効性が報告されています。

また、マンゴの樹皮には mangiferineの他、タンニンが16~20%含まれており、粘膜に鎮静効果を与えます。肌に滑らかさと柔軟性を与えることから、美容対策にも愛用されています。

Nutrition and Metabolic Insight誌(2014.9号)では、マンゴーは肥満成人の血糖値低下に有望と報じています。Oklahoma State University、North Carolina State University研究者チームは、試験開始時BMI30-45、年齢20-50歳の肥満成人20人(男性11人、女性9人)に、フリーズドライのマンゴー果肉を1日10g(新鮮なマンゴーの半分に相当)、12週間与えたところ、血糖値が男女ともに減少したことが分かったといいます。

この他、マンゴーはビタミンA前駆体のカロチンが豊富なことから、発展途上国などのビタミンA欠乏児童に対する治療としてWHOなどから期待されています。

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