ノンカロリー、天然の甘味料として古くから利用。糖尿病、高血圧症への有効性など報告
ステビア(学名:Stevia Rebaudiana)は、南米のパラグアイやブラジルを原生地とするアステル科の植物で、高さは1mほど成長し、2~3cmの葉をつけます。
ステビアは”スィート・リーフ”、”ハニー・リーフ”などとも呼ばれ、南米の先住民達はコロンブス到来以前からマテ茶を甘くするものとして愛用し、パラグアイなどでも1500年以上天然の甘味料として使用してきました。長い使用の歴史を持つ天然成分であり、またノンカロリーでもあることから、人工甘味料の代用としても用いられています。
ステビアからは8種類のグリコシドと呼ばれる成分が見つかっており、中でもステビオシドが最も甘いと考えられています。この甘味は砂糖の100~200倍、サッカロースの300倍で、ステビアの葉にはこのステビオシドが6~18%含まれています。
ステビアの葉やエッセンスを最も消費している国が日本です。1970年代から輸入を始め、その量は年々劇的に増加しており、今では菓子類、ヨーグルト、”ダイエットコーク”のようなソフトドリンクなどの甘味料に幅広く使われています。
ステビアは、パラグアイやブラジルの先住民らに糖尿病の治療として古くから使用されています。デンマークで行われたマウスを使った研究によると、ステビオシドが膵臓からのインスリン分泌を促進させることが報告されています。
また、ブラジルで行われた研究では、ステビオシドが正常及び高血圧症を呈しているラットに対し血管拡張剤として働くことも報告されています。(1992年J Ethnopharmacol誌掲載)
ステビアの安全性評価については、1991年、バンコクで行われた研究で、生後1年のハムスター20匹を4つのグループに分け、第1グループはステビオシドを1日500mg/kg、第2は1000mg/kg、第3は2500mg/kg、第4はステビオシドを与えない対照グループに分けました。この結果、どのグループを比較してもその平均成長に差は見られなかったことが分かったといいます。
また、1997年日本で行われたラット100匹を使った研究では、第1グループはエサ全体の2.5%にステビオシドを、2グループは5%を、第3グループはステビオシドを与えない対照グループとしました。
その後、ラットの臓器組織を調べたところ、どのグループにも変化は見られませんでしたが、ステビオシドを与えたメスのラットには乳房に腫瘍のできる危険性が減少し、オスでは腎臓への損傷の起こる確率の低下が見られたといいます。
ステビアの安全性については、かつて科学誌のサイエンスが’68年のステビアにラット実験での「妊娠抑制作用」を掲載していますが、その後、米国やドイツの研究者らがこれを否定する報告を行っています。また日本でも、75年と81年の2回にわたって厳格な試験を行い、妊娠抑制作用が認められないことを明らかにしています。