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2023.10.2海外の最新機能性素材トレンドとその変遷から読み取るこれから注目すべき素材食品業界トレンドセミナー第2回

2023年9月20日(水)、【ウェルネス総合研究所主催】食品業界トレンドセミナーの第2回「海外の最新機能性素材トレンド」が会場とオンラインのハイブリット形式で開催された。ここでは株式会社グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛氏による「海外の最新機能性素材トレンドとその変遷から読み取るこれから注目すべき素材」を取り上げる。

一般社団法人ウエルネス総合研究所 理事  株式会社グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛

毎年3月に米国カリフォルニア州アナハイムで開催される世界最大規模の健康食品に関する展示会「Natural Products Expo West 2023」が、2020年の中止、2021年のバーチャルを経て、今年3年ぶりに対面での開催が実現し武田氏も現地に参加したという。ナチュラルプロダクトエキスポは業界のスーパーボールとも言われ、食品・飲料・サプリメント・美容・雑貨に至るまで、ナチュラル&オーガニック関連の最新の製品が一挙に集結し、世界各国から幅広い業界や団体が集まる大掛かりなイベントだという。

この展示会の中で取り上げられていたキーワードは8つで「1、プラントベース」「2、サステナビリティ」「3、女性の健康」「4、プロ・プレバイオティクス」「5、コラーゲン」「6、サプリメントの非ピル化」「7、マッシュルーム」「8、海藻」で、特に注目されていたのが「3、女性の健康」「5、コラーゲン」「6、サプリメントの非ピル化」だと武田氏。

「3、女性の健康」については、女性ホルモンの揺らぎによる諸症状、女性特有の便秘・むくみ・イライラ、膣まわりのトラブルや性に関するサポートを訴求するものに人気が集まり、日本ではなかなか実現がむずかしいとされる「更年期」に関するものも活況だったと話す。しかも女性の健康に関するものは、ハーブやオーガニック由来のものが多く相性が良い。女性特有の健康問題はストレスや睡眠、自律神経と関係している部分も多く、「女性の問題」「性の問題」ではなく「Women`s wellness」として市場が形成されつつあると解説。

コラーゲンについては科学的根拠による裏付けがどんどん強化されていることもあり、追い風になっているという。例えばGoogleの検索回数はプロバイオティクスを上回っている。もちろん、研究は現在進行形で、多くのヒト試験は小規模のものではあるが、やはり肌の老化に対する効果はメタ分析でも「水分保持、弾力性、シワの改善」などに効果があることが支持され、近年は変形性関節症の症状緩和や口腔内の健康維持に関するエビデンスも支持されている。さらにここ数年はスポーツニュートリションの人気が高まっているが、コラーゲンとの相性が極めて良いという。筋肉の機能を支える腱や靭帯に対してもコラーゲンは重要だと注目されているからだ。またプロテインとコラーゲンといった組み合わせのニーズも高い。多くの消費者がこのような情報にアプローチできるようになっていて、消費者の教育レベルは間違いなく高まっているが、医療関係者からの関心も高まっているので、関連企業はコラーゲン研究には投資し続ける必要があると考えているという。ちなみに、消費者は、コラーゲンについては植物性にこだわっていない人がほとんどで、それよりもコラーゲンのベネフィットについて高い関心を寄せている、と武田氏。日本では2006年ごろにコラーゲンがブームになったが、肌訴求がほとんどで、スポーツニュートリションやジョイントヘルス(関節)、髪や爪、口腔内へのアプローチはまだなされていないのでその辺りに注目すると良いのではないか、と話した。

 サプリメントの非ピル化については、市場がサプリメントにナチュラルやオーガニックだけでなく「おいしさ」を求めているからだと説明。特に人気の形状が「グミ」で、グミサプリメント市場は2021年に75%も成長し、売上高も130億ドル近くに達し、史上初めてグミが錠剤カプセルを超えたという報告も紹介。2024年には167億6,000万ドルに達することが見込まれており、今後は「おいしさ」だけでなく「クリーンラベル」つまり、アレルゲンフリー、非GMO、天然の色素、天然のフレーバー、健康的な甘味料、植物由来のゼラチンで作られるグミサプリメントを消費者は求めるだろうと話した。

 今回の8つのキーワードとは別にトレンドとして注目されていたのが「スイッチが入った動物性プロテイン」だと武田氏。動物性であることの優位性が伝わり、動物自体がグラスフェッドなど環境を配慮した育成環境にあれば、戦略的に動物性プロテインを打ち出すことができるようになっているという。特にチーズはヘルシースナックとして生まれ変わっていて、他にもビーフジャーキーのような「スナック化」された肉にも人気が集まっているという。食品業界としては、消費者が必ずしもプラントベースだけを求めているわけではないことを意識しなければならないだろう。コラーゲンも動物由来であってもそれがデメリットになるわけではなく、日頃プラントベース食を主張する女性消費者もブラジル産牛由来のコラーゲンを選択しているといった現状があるという。 日本では米国から5〜10年遅れでトレンドがやってくる傾向にあるが、日本人には飽きっぽさがあるのか、ここ数年のトレンドを振り返っても、長続きしているものや定着しているものがほとんどない、と武田氏は指摘。例えば、チアシードやアサイー、アーモンドミルクなどは米国で今現在も人気の市場としてどのスーパーマーケットでも大きい売り場が確保されているが、日本はそこまでのトレンドにはなっていない。それでも「3、女性の健康」「5、コラーゲン」「6、サプリメントの非ピル化」については、日本でもトレンドが起こりはじめているので注目してほしいとまとめた。

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