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2020.5.21ブルーコホシュ

生理痛や月経困難症など婦人科の病気で使用。リウマチ、気管支炎、喘息、などに関連する報告も

ブルーコホシュ(Caulophyllum thalictroides)は北米の全体で生育、根と花は古くからの民間療法で使用されています。成長すると30~90cmほどになり、黄色を帯びたグリーンの花をつけます。

特に、アメリカインディアンが出産時、陣痛を引き起こすために使用していたことから、“Papoose(赤ん坊)Root”とも呼ばれています。妊婦は出産予定日の1~3週間前に、根を煎じたお茶を少量飲用して出産を迎えたといいます。

ただ、妊娠初期に飲むと流産を引き起こす恐れがあったため、堕胎用あるいは避妊の目的でも使われました。また生理痛、月経困難症など生理時の不快症状、子宮炎軽減にも使われていたといいます。

医学の領域でその名が登場したのは1813年頃です。“インディアン・ハーブ・ドクター”のピーター・スミスによって使われたのが始まりと見られています。米薬局方には1905年までリストされていました。

ホメオパシーでは、1875年、ヘイル医師によって紹介されて以来、現在も薬用ハーブとして愛用されています。婦人科の病気以外には、リウマチ、気管支炎、喘息、のどの痛みなど抗炎症用として使われています。

ダイエタリーサプリメント業界では人気のハーブ、ブラックコホシュとは別種ですが、どちらも婦人科分野の症状に使用されています。

ブルーコホシュには、Anagyrine、Baptifoline、methylcytisineなどのアルカロイド類、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、サポニン類などが含まれていますが、アルカロイド類およびサポニンの中のcaulosaponinが活性成分と考えられています。

動物を使った研究によると、methylcytisineの作用はニコチンに似ており、血圧の上昇や呼吸作用および腸の運動に関与します。ただ、その毒性はニチコンの40分の1です。

ブルーコホシュの分娩促進作用は、caulosaponinが深く関与していると考えられます。ただ、caulosaponinは血管の収縮作用を行うことから、心臓粘膜への有害作用も指摘されています。さらに、小動物では腸の痙攣を引き起こすことがあるとされています。

ブルーコホシュは通常、チンキ剤の形で用いられ、0.6~1.8mlを1日3回飲むよう薦められますが、それ以上の服用は控えるよう忠告されています。

ブルーコホシュを多量に使用すると、悪心、高血圧などを引き起こす恐れがあります。また、妊婦の使用に関しては、様々な意見が医療関連サイトを賑わせています。

New England Journal of Medicine誌に掲載された記事では、ブルーコホシュの新生児の発作症の関連性が指摘されています。それによると、40週目に入った24歳の妊婦が、産科医の薦めでブルーコホシュを煎じて作ったお茶を飲み出産を迎えました。当初、新生児の健康は認識されましたが、発作を起こしたため、原因をCTスキャンによって調べたところ、卒中によるものと診断されました。

さらに、その原因を追跡する検査を行ったところ、その1つの中毒スクリーンでコカイン中毒が陽性になりました。女性は、産科医に薦められたブルーコホシュ以外の医薬関連製品の使用を否定。そのため、ブルーコホシュ数製品を調べたところ、コカイン代謝産物が陽性反応を示しました。

研究者は、ブルーコホシュが分解してコカイン代謝産物を生じたのか、またはコカイン製品がコカインに汚染されたのかどうかは不明だとして、さらに研究を行う必要があるとしています。

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