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2013.11.11リコペン

β-カロチンの2倍以上の抗酸化力。前立腺がんの予防作用で注目

リコペンは、果物・野菜に含まれるカロチノイド色素の一種。とくにトマトやスイカに多く含まれる赤い色素で、フリーラジカルを撃退する力がβ-カロチンの2倍以上あることが知られています。リコペンは、生トマトよりトマトジュースやケチャップのように火通し加工されたものの方が身体に吸収されやすいとされています。

リコペンは、前立腺がんへの予防作用で一躍注目されるようになりました。1996年、ハーバード大学の研究者グループが男性の医療関係者4万8千人を対象に、ピザあるいはトマトソースを使った食品を1週間に最低2度食べる男性は血中のリコペン濃度が高く、前立腺がんの罹患率が45%減少したが、トマトソースを摂取しないグループは、21%~34%罹患率が高くなったと報告しています。

ベータカロチンが単体より野菜・果物で摂ったほうが有用であるといわれているように、リコペンについてもトマト全体で摂った方が良いことも報告されています。

オハイオ州立大学の研究グループが、前立腺がんを誘発する化学物質を注入したラットにトマトパウダー、リコペンのみのどちらかを混ぜたエサを与え、通常のエサのみを与えたラットと比較したところ、トマトパウダー・グループは、前立腺がんでの死亡率が通常のエサのみのグループに比べて低く、一方、リコペンのみのグループでは死亡率低下は見られなかったといいます(Journal of the National Cancer Institute誌’03/11月号)。

他に、心疾患についても、ノースカロライナ大学研究者グループが、心臓発作を起こしたことのある患者1千379人と健常者の脂肪サンプル並びに食生活を比較したところ、リコペンを多く摂取したグループの心臓発作を起こす危険性は、最も少なかったグループに比べ約半分だったと報告しています。

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