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2019.1.21バレリアン

神経の鎮静、不眠症や不安感の緩和で注目。ヒポクラテスの書にも登場、不眠症治療で処方

バレリアン(カノコ草)はラテン名をValeriana officinalisといいます。北米を原産とする多年性植物で、現在はオランダ、ベルギー、フランス、ドイツ、西ヨーロッパ、日本、アメリカなどの各地で栽培されています。90cm~120cmほどの高さに成長し、6月から9月にかけて小さいピンク色がかった花を咲かせます。

現在ドイツやアメリカで見られるバレリアンを使った療法は、ギリシャの伝統療法の流れをくむもので、ヒポクラテスの書の中にも登場しています。

Valerianaという名称が使われるようになったのは10世紀に入ってからです。発祥はラテン語のvalere(健康になる)で、「phu」の他に「fu」とも呼ばれていました。

ドイツではCommission E(注1)がバレリアンの効能を認め、チンク剤やお茶、錠剤などの形態で使用を認可しています。また、1992年には、European-American phytomedicines Coalition(EAPC=欧米薬草連盟)が米国食品医薬品局(FDA)に対し、睡眠補助の市販薬としてバレリアンの審査及び許可を下すよう正式に申請しています。
※注1:ドイツ保健省の専門委員会の一つ(植物性医薬品の評価など行う)

バレリアンの成分としては、valtrates、didrovaltrate、isovaltrates、monoterpenes、gammma-aminobutyric(GABA)などがありますが、主成分は黄色がかった緑、あるいは黄色っぽい茶色のオイルに含まれます。このオイルはバレリアンの根の細胞の表皮下に含まれ、吉草酸、ギ酸、酢酸などが主要な構成成分です。

また、ChatarineとValerianineの2つのアルカロイドも含まれます。ちなみにオイルは乾燥根に平均0.5~2%の割合で含まれ、0.8%を越えることは稀といわれます。

バレリアンの働きで最も注目されているのが、不眠症や不安感の緩和や神経の鎮静作用。18世紀頃のヨーロッパでは、薬草医が様々な神経障害の治療に使っていたともいわれます。

また、頭痛や気管支痙攣、長引く咳などの治療にも使われることがあります。この他、女性の生理期の緩和剤としても用いられています。使用方法については、バレリアンのみだけでなく様々なハーブとの組み合わせに関する研究が数多く行われています。

1995年に発表されたホップとの併用についての研究では、睡眠障害患者を治療するbenzodiazepineの代用になるかどうかが調べられました。研究は2週間、対象を無作為、二重盲検で行い、患者の睡眠の質が、研究前、中間、研究後にどう変わるかということを調べています。

その結果、ホップ/バレリアン、benzodiazepineグループのどちらにおいても格差がなく、睡眠状態が改善されていることが分かりました。

また、1997年発表された二重盲検、偽薬対照による研究では、128人を対象にバレリアン根エキスの睡眠の質への有効性を調べています。被験者には、9日間の晩にバレリアンエキス400mgあるいは偽薬を交互に与えた。その結果、睡眠の質がバレリア ングループではかなりの改善がみられたといいます。

この他、不眠症患者14人を対照とした二重盲検、偽薬研究では、バレリアンエキスを使ったValdispert forteRで試験し、被験者8人に、405mg(3錠、1日3回)を与え、別の6人には偽薬が与えたところ、脳波の計測によって、バレリアン・グループは、短波睡眠が増大したことが確認されています。

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