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2013.11.11ニンニク

コレステロール低下や心臓病、がん予防まで。米国では安価なハーブとして医療関係者も注目

古来より、強精食品として親しまれてきたニンニク(ガーリック)。エジプトのピラミッド建設の際には労働者にニンニクを与えたともいわれています。
コレステロール低下から高血圧、心臓病、さらにがん予防まで幅広い有用性で人気が高く、古来より世界中の民族がその効能の恩恵に浴してきました。現在、米国では3分の1以上の医療関係者が代替医療に何らかのハーブを使用しているといわれますが、ニンニクは医療関係者の間でも安全・安価なハーブとして高い評価を得ています。

ニンニクには、アミノ酸の一種であるアリイン(alliin)が1%含まれ、アリナーゼという酵素によってアリシン(allicin)に転換され、独特のニンニク臭を発します。 アリシンは抗微生物、抗ウィルス、抗酸化剤効果に重要な役割を示していることが明らかになっています。

ニンニクは調理されたものより、生のほうがより有効に作用することが報告されています。ラットを使った研究で、一つのグループには生ガーリックを与え、別のグループに皮を剥いた直後料理したガーリックを与え、それぞれ発癌物質に曝したところ、生ガーリックグループでは発癌物質の影響が抑制されていることが分かっています。また、胃潰瘍の原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌を殺菌する効力も確認されていますが、火を通したニンニクの場合は効果がかなり薄くなることが報告されています。

ノースカロライナ大学の研究者グループが、総計10万人以上を対象にした研究17件の分析で、ニンニクを多く摂った被験者はあまり摂らない者と比べ、胃がんの発生率が50%低かったという報告もあります。また、アイオワ在住の女性4万1千837人を調べた調査では、週に少なくとも1度ガーリックを食べた場合、結腸がんに罹る危険性が35%低いことが明かになったと報告しています。

ニンニクには、凝血を阻止する作用も報告されています。(1玉あるいはパウダー800mgほどで正常の凝血作用に重要な機能を幾つか阻害する)ことから、出血を抑えるのに時間がかかるようになると警告されています。多量に摂った場合は、消化器官に痛みが起こることも報告されています。また、HIV感染患者が薬剤療法中に摂取すると、薬剤の有効性を半減にすることが報告されています。

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