地球最古のフルーツ、現代人の各種疾患に対応。生命力に溢れ、「砂漠の人参」といった呼び名も
沙棘(サジー)は、タワラグミ科の落葉潅木で、中国西北部、華北部、チベット、四川などの砂漠や高原に自生します。2億年以上前から生育していたといわれ、地球の歴史上、最も古い植物に数えられます。
樹高は2mほどですが、5~10mを超えるものもあります。花期は3~5月にかけて、果実期は9~10月。葉は5~6cmほど。棘があり、冬でも実が落ちません。果実は橙色で、一部に赤みがかったものもあります。
醋柳、黒棘などの別名を持ち、旱魃にも強く、砂漠地帯の30℃から-30℃の大きな温度差にも耐え、痩せ地でも生育し、3年目には果実をつけます。成長が早く、生命力に溢れることから、「砂漠の人参」といった呼び名もあります。
中国歴代の皇帝に強壮剤として愛用され、「貴重なる王室の食物」とも呼ばれています。ジンギスカンの騎兵が無敵だったのは、沙棘の葉と果実を馬に餌として与えていたためという逸話も残っているといわれます。
ビタミン、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、セレンなどの微量元素、アミノ酸、カロチノイド、オレイン酸、リノール酸、フラボノイド類、クマリン、グリジンベタイン、5-オキシトリブタミンなど200余種の有効成分を含みます。
沙棘は、8世紀後半、チベットの医学書「四部医典」にも記載されています。1950年代に、中国四川医学院を中心に沙棘の研究が始められます。1977年には中国衛生部(厚生省)が沙棘の薬用価値を認め、正式に薬典に登録します。1980年代に入ると、本格的に中国政府の医療機関で沙棘の研究が行われるようになります。
沙棘の作用としては、肝保護、抗炎症、抗老化、抗がん、抗潰瘍、粘膜修復、組織再生、胃痛緩和、消化不良の解消、アレルギーや花粉症の緩和、などが挙げられています。